CLARA MONTES / RETRATOS

1968年生まれのスペインの人気女性シンガー・ソングライター、クララ・モンテスによる2021年作です。弾力感のあるルンバでスタートする、自身のルーツであるアンダルシア/フラメンコ系なレパートリーで染め上げた1枚。ベテランの域に入ってきた彼女ですが、その歌声は伸びやか、かつ艶やかに鮮度を保っています。コブシを回してもクドくならず、円みのある歌声が耳に心地よい。 …

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JOOKO HORIA / DE JEREZ A MESOPOTAMIA

異端の香り漂うフラメンコ+メソポタミア音楽作品  イラク/シリア国境付近出身の異色フラメンコ・アーティストによる2021年の作品。『シェリー酒からメソポタミアへ』と名付けられた本作は、フラメンコにメソポタミア的な音楽文化要素やアヴァンギャルド・テイストを融合させた、非常に実験的な内容となっています。クラリネットやチューバの演奏も織り交ぜた異端の香り立ち込める …

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JUANITO MAKANDE / FOLCLORE SINTETICO

大人気SSWの最新作!  1982年生まれのスペイン人音楽家:フアニート・マカンデー。2006年にデビューして以降、伝統的なフラメンコにジャズやファンクの要素を融合させたポップ・サウンドを特徴とする革新派フラメンコSSW/パーカッショニスト/プロデューサーとして知られてきました。前作『LA ・ライース・デル・ビエント〜風のルーツ』では、シンプルなバンド編成に …

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NATALIA LACUNZA / EP2

スペインはパンプローナ出身の若手シンガー・ソングライター、ナタリア・ラクンサ(1999年生まれ)のセカンドEPです。EP扱いですが7曲入り、尺的には20分ちょっととなっています。R&B寄り、エレクトロ仕立てのレゲトン要素なども用いた、クールで清新なインディ・ポップ。リリックはスペイン語と英語が曲により併用されています。1曲目では、キコ・ベネーノやロシ …

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SILVIA PEREZ CRUZ & MARCO MEZQUIDA / MA LIVE IN TOKYO 

スペインのお馴染み女性シンガー、シルビア・ペレス・クルースによる2019年10月の東京でのライヴがディスク化されました。日本語で暗記したMCで幕を開け、彼女にとって思い入れのある公演となったのでしょう。ここでお相手を務めたのは、フラメンコ・ギターのチクエロとのデュオなどもあるる1987年メノルカ島生まれの実力派ピアニスト、マルコ・メスキーダ。タイトル『マ』は …

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PEDRO GARRIDO NIÑO DE LA FRAGUA / LIBERTAD CONDICIONAL

実力派フラメンコ歌手のデビュー作  カディス大学でフラメンコ研究・分析の修士号を取得し、数々のカンテ・コンクールでの受賞歴も持つフラメンコ歌手:ベドロ・ガリード(1983- )。本作はそんな確かな学識と実力を兼ね備えた彼が2017年にリリースしたデビュー・アルバムです。その情感豊かな歌声は圧巻。特にハイトーンの伸びが非常に美しく、つい聴き入ってしまいます。本 …

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JESUS MENDEZ / VOZ DEL ALBA

伝統〜本格派の中に感じるほのかなモダニズム!  ギター演奏と手拍子/カスタネット演奏によるシンプルな伴奏に併せ、伝統〜本格派の力強いフラメンコの歌声を聴かせてくれるヘスース・メンデス。決してガチガチの古典派な訳ではなく、それぞれの楽曲にフレッシュなモダン・テイストを巧妙かつ絶妙なバランスで忍ばせているところが白眉!伝統派もモダン派も夢中になれること間違いなし …

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ALBA MOLINA / EL BESO

美貌のロマ系サラブレッド歌手がメロウで洗練されたオトナのフラメンコ・ポップ作品をリリース!  1978年セビリア生まれのロマ歌手:アルバ・モリーナは、1972年結成の元祖フラメンコ・ポップ・ユニット:ローレ・イ・マヌエル(Lole y Manuel フラメンコ歌手:ローレ・モントージャ・ロドリゲスとフラメンコ・ギタリスト:マヌエル・モリーナ・ヒメネス)を両親 …

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FETEN FETEN / CANTABLES II

スペインのカスティーリャ地方を主フィールドとした実力派トラッド・フォーク・グループ、ラ・ムスガニャのメンバーとしても活躍する2人、主にアコーディオンを奏でるホルヘ・アリーバスとヴァイオリンのディエゴ・ガラスによるデュオ・ユニット、フェテーン・フェテーンの2021年作です。タイトルから想像がつくかと思いますが、ヴォーカル曲を集めたアルバムの16年作に次ぐ第2弾 …

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CAROLINA ALABAU & ELIA BASTIDA / MERAKI

ヴォーカル&ピアノのカロリーナ・アラバウと、ヴァイオリン&ヴォーカルもこなすエリア・バスティーダによるスペイン・カタルーニャの女性デュオ。2021年のアルバムです。スペインのバレンシアに分校があるバークリー音大に学び、20年には初ソロ作『プリメラ・ミラーダ』も放っている1994年生まれのアラバウ。そして、若年ジャズ楽団サン・アンドレウ・ジャズ・バンドの一員と …

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BURRUEZO & NUR CAMERATA / AL-MAJNUN

スーフィー+アンダルース音楽の織りなす美  1982年に結成されたスペインにおけるメスティーソ音楽の草分け的グループClaustrofobiaのリーダー/ギタリスト/ヴォーカリストとしても知られているペドロ・ブルエソ。このプロジェクト:ヌル・カメラータはヴォーカル/ブズーキ/ヴァイオリンを担当するブルエソを筆頭に、ロベルト・サンタマリア(カーヌーン)、ジョル …

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RAFAEL RIQUENI ‎/ HERENCIA

1962年スペインはセビリア生まれ、14歳にして第8回コルドバ・コンクールのラモン・モントーヤ賞と第6回ヘレス全国コンクールの第1位を獲得。1981年には再びヘレスで1位を獲得。1986年にアルバムを発表して以来、当代最高のフラメンコ・ギタリストの一人、そして作曲家として、8枚のアルバムをリリース、本作はその最新作となる2021年作です。 その端正な演奏には …

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MARINA ROSSELL / 300 CRITS

カタルーニャを代表する女性歌手マリーナ・ロセールが往年のシャンソンの名曲をうたう。  カタルーニャを代表する女性歌手:マリーナ・ロセール(1954- )。1970年代に勃興したカタルーニャ語による歌の復権運動〈ノヴァ・カンソ〉の若手歌手として世間からの大きな注目を浴びたことが、彼女のキャリアの始まりでした。以降現在に至るまで、カタルーニャ地方の伝統歌、ハバネ …

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RITA PAYES, ELISABETH ROMA / IMAGINA

ボサ・ノーヴァ、ジャズ、フォルクローレ、カタロニアの子守唄… 母娘が共に慣れ親しんで来たお気に入りのナンバーを美しいデュオ演奏でカヴァー  カタルーニャ出身のヴァーカリスト/トロンボーン奏者リタ・パイエス、そしてギタリスト/音楽教師のエリサベト・ローマ。この作品は娘のリタが母エリサベトへの誕生日プレゼントとして、2人が慣れ親しんできた南欧〜南米のお気に入りナ …

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MONCHO / MIS QUERIDOS BOLEROS

「ボレロの王様」「エル・ヒターノ・デル・ボレロ(ボレロのジプシー)」などとして知られる、スペイン・カタルーニャが生んだ1940年生まれの人気ボレロ歌手モンチョによる2017年リリース作。録音は10年で、18年には亡くなってしまっているのですが、本作での艶のある歌声は、年齢を感じさせませんね。曲は、「オブセシオーン」「ラグリマス・ネグラス」「コモ・フエ」「ラメ …

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 V. A. / IMPRESSIONS D’ESPAGNE 1950-1962

★Concierto De Aranjuez – Flamenco Sketches – Saetas – Sevilla – Ole スペインの印象を形作ってきた、あるいはスペインの印象に触発された音楽を集めた、仏フレモー社による、「スペイン」を巡るユニークな3枚組アンソロジーです。1950年から62年にかけ …

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GUILLEM ROMA / KIRIBATI

スペイン、カタルーニャのSSWギレム・ローマの4作目。タイトル通り、“キリバス” のオアシスやカリブの熱帯雨林を連想させるような、メロウでトロピカルな遊覧ムードを演出。が、環境破壊に対しに言及〜警告を促すようなナンバーもあったり、オプティミスティックな空気感を醸しつつも、一応その辺は抑えています。気配りあり?

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DIEGO EL CIGALA / CIGALA CANTA A MEXICO 

現代フラメンコ随一のカンタオール、ディエゴ・エル・シガーラ。ベボ・バルデースとの双頭作『ラグリマス・ネグラス』で世界的にその名を轟かせましたが、2020年の本作はその後も続いた一連のラテン歌謡もので、タイトルが示すとおりメキシコ歌謡を取り上げています。アルマンド・マンサネーロの「ソモス・ノビオス」、アルフレード・ヒルの「シ・トゥ・メ・ディセス・ベン」、アルベ …

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