モン・ラフェルテ２０２１年５月の作、再入荷しています。チリ人ですけど、マリアッチ、ランチェーラ、バンダ・スタイル＆クンビア・メヒカーナに特化した内容…。時にグッとコブシをこめ情念ほとばしる熱唱を聞かせ、時に柔らかなロリ声をしんみりと聞かせる、この人らしい自在な喉使いの２面性を強調した作とも聞こえます。そんな歌い口の振り幅において、過去、メキシコ歌謡ランチェーラの世界では、恋愛の様々なかたち、メキシコ女性の狂おしい恋情や、恋に破れた絶望などなどが、歌われて来たわけですが、でも、このモン・ラファルテの歌から聞こえる恋情は、どこか演劇的、恋に激しても恋に破れても一幕の寸劇、その場限りといった雰囲気が聞こえないこともありません。ま、よくわかりませんが、入れ墨をした腕で黒い雄牛を抱いているジャケの姿の、その異様さ…ニヒリズムというか虚ろというか、感情が読み取れない感じ、これは一体何だろう？とも思います。
それでも、ゲストにはその道の現行スター男性歌手、アレハンドロ・フェルナンデス・アバルカを迎え、そして、人気オルケスタ、ラ・アロジャドーラ・バンダ・エル・リモン・デ・レネ・カマーチョ（〜長い名前です）を迎えもして、現行メキシコ歌謡音楽の豪華な表舞台の上で、虚ろな心で恋を歌っているようにも感じてしまうモン・ラフェルテのその歌声…。う〜ん、何なんでしょうねえ、でも、そんな虚ろさが、もしかして、マジカルなリアリズムに反転して行くような気もする？というわけで、この人の歌をめぐる妄想は広がるばかりですが、ま、面白いアルバムであることは確かです。

わけのわからなさは、＞この辺から…

1 Se Me Va A Quemar El Corazon 3:58
2 Amigos Simplemente 3:02
3 No Lo Vi Venir 3:02
4 Amado Mio 4:09
5 Cancion Feliz 4:24
6 La Mujer – feat. Gloria Trevi– 3:09
7 Calaveras 4:12
8 Aunque Te Mueras Por Volver 4:10
9 La Democracia 3:25
10 Esta Morra No Se Vende 2:43
11 Que Se Sepa Nuestro Amor – feat. Alejandro Fernández– 2:59
12 Te Vi 3:36
13 Se Va La Vida – feat.Banda Femenil Regional “Mujeres del Viento Florido”– 4:32
14 Se Me Va A Quemar El Corazon -feat. La Arrolladora Banda El Limón De Rene Camacho– 4:12