BRENDA RAY / WARATTA

★ブレンダ・レイ『ワラッタ』

70年代後半に英ニュー・ジャズでパーカッショニストとして音楽シーンに登場したブレンダ・レイ(ブレンダ・ケニー)は、ポストパンク期のD.I.Y DUB-UPグループ、ナッフィー・サンドイッチでのローカルな活動をへて、80年代半ばに英ヴァージン・レコードと契約。メジャー傘下で幾つかのプロジェクトに携わっている。彼女は早くからジャンルの越境を行った実にイギリス的な音楽家だ。この『ワラッタ』は、その後のブレンダ・レイが90年代から2000年代初頭にかけD.I.Y制作したキャリア唯一のソロ・アルバムで、主に日本でベストセラーとなった名盤である。

このアルバムの手法とは、ジャマイカで70-80年代に録音されたリディムに、彼女が楽器とヴォーカルを足して編曲し完全なオリジナル曲に作り替えたものだ。このリディム再利用の手口自体はジャマイカでは定番だが(例えば1回の録音をヴォーカル・カット、インスト・カット、ディージェイ・カット、ダブ・ミックス、ディスコ・ミックスなどで使い倒す)、かつてリー・ペリーがブラックアーク・スタジオで制作した数々のディスコミックス(例えば「Disco Devil」)ほどの過激でめちゃめちゃな改編はペリー作品以外にはない。そのため、本作『ワラッタ』はリー・ペリー作品と比較できる希少なものだ。しかも、怪しげな編曲を施されたルーツロックのオケにウィスパリング・ヴォーカルをのせるという、ルーツレゲエ・ファンにはとうてい受容されないような変態度の高いチューンが並ぶ。ゆえに、レゲエ・ファン<以外に>広く愛されているのかもしれない。本作をリー・ペリーに捧げる。

*紙ジャケット+インサート封入
*解説:ブレンダ・レイ
*英詩掲載
*日本語・英語両掲載

〜メーカーインフォより

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