ボズラックの名手の貴重音源!
アナトリア中部のヨズガト県出身のヨズガトル・ハーフズ・シュレイマンは1930年代に活躍した古典声楽/ガザル/民謡歌手で、特にボズラック(bozlak:アナトリア中部の民謡)を得意としていました。本作ではガザルやテュルキュ、ボズラックなどのレパートリを、カーヌーン、タンブール、ウード、ケメンチェ、ネイといった楽器の伴奏をバックに濃厚なコブシ回しで聴かせています。(サプライヤーインフォより)
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う〜ん、参りました。アナトリア中部に伝えられる、中央アジアに発したチュルク以来のウズン・ハワ〜長い旋律を、高音域から豊かな節づかいで下降していくように歌うフリー・リズムの民謡 “ボズラック” や、同じような成り立ちの、やはりアナトリア中部はヨズガト地方の民謡等、あるいは、ペルシャに端を発し中近東〜南アジアのイスラム圏に広く根づいた恋愛詩形、及びその吟唱としてトルコにも根付いた “ガザル” も含む〜1886年生まれのオスマン古典声楽家、ヨズガトル・ハーフィズ・スレイマンの初復刻曲ばかりのSP音源集となります。
というか、bunboni さんが仰せのように、これまでCDとしては、米ラウンダー盤(1990)と英オネストジョンズ盤(2010)で、1曲づつ 復刻されていただけで、それ以外には聴くことができなかった人でした。
…にしても、そのたった2曲しか聞けなかったハーフィズ・スレイマンの初フルCDたる本盤を、当方が1枚試し取りし、後刻聴いてみようとカウンターの上に置いてあったのを、たまたまご来店されたbunboniさんが目にされ手に取ったなり、間髪入れず、おお、ハーフィズ・スレイマン!うわー15曲も入ってる、ウレシ〜!と、速攻お買い上げいただいたワケですが、でも、30年前とか10年前とかに1曲づつコンピレーションに収められていただけの古い歌い手を、手に取るなりに思い出すなんて、なんて記憶力がイイんだろ、と、その時は内心ビックリしたものです…。
で、後日、再入荷の際にじっくり聴いてみれば、なるほど、一度聴いたら記憶に残ってしまう歌声だなあと、当方も感じ入りましたよ。とは言いながら、考えてみれば、件のラウンダー盤もオネストジョンズ盤も、発売当時に聴いているハズでしたが、何も憶えていないトホホな当方…。
ま、それはそれとして、古典声楽の粋を極めた歌い口でありながら、オスマン時代の長きを経ても受け継がれたウズン・ハワの伝統を聞かせるそのSP録音群の素晴らしさはどうでしょう?これぞトルコ!と言いたくもなりますよ。何でもボズラックやヨガストの民謡を、古典の歌い手でありながら歌ったのは、この人が初めてということです。
というわけで、やっと、当方もこのヨガスト生まれのハーフィズ・スレイマンの名を胸に刻むことができたのでした(って、モノ忘れのひどい今日此頃、名前はド忘れちゃうかも知れませんが、その歌声に関しては、ド忘れできないものがあるのは確か…、ですねえ)。
1. Bari Teşrif Eyle / Hicaz Divan
2. Aşk Ehline Âlemde / Uşşak Gazel
3. Bir Selam Gönderdim Canan Eline / Bozlak
4. Müştakım Efendim / Nihavent Gazel
5. Karşıda Kürt Evleri / Türkü
6. Seni Kim Görse / Acemaşiran Gazel
7. Âlemde Hicr ile Firkat Benim Olsun / Hicazkarkürdi Gazel
8. Sarı Kız / Türkü
9. Gönül Mağlub-u Aşk Olmuş / Uşşak Gazel
10. Turnalar Bozlağı
11. Yine Cüda Düştüm / Hüseyni Divan
12. Kapının Önünde Taş Ben Olayım / Türkü
13. Pembe Gül / Şarkı
14. Ayvaz Methiyesi
15. Yozgat Sürmelisi1