ハイチもそーですけど、やっぱりイスパニョーラ島はアコーディオンから始まった、って感じがビシビシ伝わって来るCDですね!いずれ、後年、ピアノやホーンセクションが伴奏楽器のメインになってしまうのは、ハイチも同じ、結局キューバン・スタイルのオーケストレーションが、カリブ海域を席巻して行くんですが、それはつまり、大規模ナイトクラブの出現に際して、マイクロフォンの普及発達により、大きな音の伴奏に負けずに歌手が歌えるようになったことに由来するわけで、それまではカリブ海域全般で、もっとインティメートな無マイク演奏が、小規模な聴衆を相手に繰り広げられていたんじゃないかと想像されます。
で、そんな時代のアコーディオン・メレンゲを彷彿とさせる本盤、収録曲の並びは1960〜70年代録音とのこと、メレンゲらしいセワシナイ前傾ビートに乗っていくアコーディオン演奏は、確かに、例外的に米国録音もあり、60年代までティピカルなアコーディオン・メレンゲを演じた稀有なグループ、トリオ・レイノーソを彷彿とさせます。が、よりストリート感覚漂う、よりタイトな演奏と聞こえて、いかにもドミニカの夜の巷で演奏された雰囲気がプンプンしますよ。
聞くところによれば、アコーディオンがイスパニョーラ島に伝わったのは19世紀後半のこと、タバコと引き換えにドイツ商人がもたらしたとされていますが、そんなアコーディオンを得て、ドミニカで流行したのが、この “ペリーコ・リピアオ”、いわゆる”メレンゲ・ティピコ”ということで、そんなメレンゲ・ティピコが60年代以降も生き残り、現地マイナー・レーベルでシングル・カットされたうちから選ばれた10曲〜たった10曲ですが、貴重な音源集であることは確か、じゃないかと思います。
そもオリジナル・スタイルでありながら、今日に至っては、知られざるアコーディオン音楽としてのメレンゲ、その最後の生き残り達が現地レーベルにシングル盤として残した10曲、ということで、なかなか得がたいものがありますよ。
1.Trio Rosario – Cuando Yo Muera 02:34
2.Fefita La Grande – Caña Brava 03:36
3.Aristides Ramirez – Los Lanbones 03:15
4.Bilo Y Sus Típicos – La Negra 02:31
5.Negrito Figueroa – Por La Mañanita 03:59
6.Trio Royecell – La Pasion De Cristo 02:32
7.Victor Suriel Y Trio Rio Verde – La Mecha 02:56
8.Rafaelito Román – Que Mala Suerte 03:38
9.Bilo Y Sus Típicos – Cuande Baje De La Loma 03:55
10.Trio Ramirez – Me Gustan Las Pegajosas 03:13
>こちらで紹介済みですね(無断リンク陳謝&感謝)!