DARIANA LOPEZ / POR ESO CANTO

数年前から経済破綻が伝えられているベネズエラ、久しく彼の国からのCDも届かなくなってしまった中(ブラジルやキューバも、そうですが、CDというもの自体のリリースが激減してしまったようで)、それならば、もう、ということでしょうか?パリに活動の場を求め、本作、仏盤CDでデビューしたダリアーナ・ロペス嬢、欧州や南米や北米から集った色合いの異なったメンバー達とともに、2年をかけて録音、生み出したのがこの作だそうです。
小型のギター型弦楽器、クァトロの弾き語りを軸に、ベネズエラらしいホローポ由来と感じさせるハチロク系のリズムを多用しつつも、いかにも各国から集ったメンバーとの、パリでの交わりを感じさせる、ソフティケイテッドされたPOPさも漂う作となっています。
もうひとつ、このダリアーナ嬢が、ベネズエラはアンデス北端のメリダ高地生まれということを知れば、なるほど、その、澄み切った歌声の由来も納得できるような気もして(イメージとしてですが、例えばアンデスの笛のような)?…凝っているようでシンプル、シンプルなようで様々な要素が繊細に交わった本作も、その声あってこそ、と思います。今時、こんな澄み切った歌声、ベネズエラからにしても(パリからにしても)、不意打ちのように聞こえたのは確かです。しかも、クァトロ弾き語りで、
やっぱりベネズエラの音楽、わかったようなつもりでいても、なかなか、わからないものですね(”コーヒー・ルンバ”の昔から、ベネズエラの音楽といえば、ポピュラリティーと伝統の止揚において独特な洗練を聞かせてくれたものでしたが)。

1.Por eso canto
2.Tejedora de los sueños
3.La javanaise
4.Este corazón
5.Laisse tomber
6.Dejame contarte
7.A donde van
8.A veces
9.Volver

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