DAKHA BRAKHA / ALAMBARI

「ウクライナの人気グループ。男性マルチ器楽奏者も参加、時に歌うが、主体となるのは女声&コーラス。もしかしたらこのグループが発火点?スラブ的美意識に裏打ちされた前衛と伝統を行き来する万華鏡のような音楽性が印象的…」というのは、MM誌2月号『2023年はこれを聴け!』において、本CDを紹介させていただいた際の原稿抜粋となります。で、その後、幾人かのお客さんからお問い合わせいただものの、戦時中のウクライナのことですから、今は無理だろうと思ったものの、一応、お見舞いも兼ね、以前、何度かCDを送ってもらったショップに連絡してみると、OK、一回に発送できる数に限りはあるけど全然送れるよとのこと、まったく淡々としたものでした。当方の見舞いの言葉には反応なし、無視されてしまいましたが、まあ、いろいろと複雑な現地事情もあるだろうウクライナのこと、報道からは見えないことも、やっぱり、あるんでしょうねえ…?

ウクライナのダカ・ブラッカ、05年のデビューから数えて通算7作目となる2020年作となります。もともと首都キエフに設けられた “ダッハ現代美術センター” 内のライヴ・シアターにおけるミュージカル・クルーとして結成されたそう。それぞれに楽器を持ち替え弾きながら、それぞれに歌う女性3人+男性1人の4人組で、基本、ウクライナ各地の民謡に材を取り、自由な解釈のものとに演じるグループだそうですが、自由過ぎるだろう、という気もしないではないのですが、何だか気になってしまって、新譜が出る度に入荷させてしまうのでした。
なんというか、見た目、帽子や衣装、CDジャケのデザインも面白いし…、是非ライヴで見てみたいものですが、時にエクスペリメンタル、時にブルージー、時にシアトリカル、時にヴィソツキー調とか、タンゴ、ハバネラ、パンク、スカ、そしてコサック・ダンス風といった具合…、実に多彩な展開であることは、これまで以上の本作かも知れません。が、そうした多彩な中にも、いかにもウクライナらしい? 北欧や東欧のスラブ民謡にもつながって行くような地声の女声、そしてコーラスが聞こえて来ると、つい、耳を持って行かれてしまいます。

1 Dostochka 7:32
2 Vynnaya Ya 6:15
3 Khyma 7:07
4 Sonnet 5:58
5 Torokh 5:05
6 Lado 4:08
7 Im Tanzen Liebe 5:51
8 Ya Siv Ne V Toy Litak 9:03
9 Alambari 10:57

Marko Halanevych – vocals, goblet drum, tabla, didgeridoo, harmonica, accordion, cajón, jaw harp
Olena Tsybulska – vocals, percussion
Iryna Kovalenko – vocals, djembe, flute, buhay, piano, ukulele, zgaleyka, accordion
Nina Garenetska – vocals, cello

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