一応、念のために言っておくと、タイトルに “ALATURKA” とありますが、今話題の>こちら “アラトゥルカ・レコーズ” とはまったく関係ありません。
アタ・デミレルは1971年生まれ、イスタンブールへ出て、最初はナイトクラブのピアノ弾きなどしながら音楽学校へ通っていたようですが、たぶん、ジョン・ベルーシあたりの影響でしょう(あてずっぽうですが)、バーでスタンダップ・コメディなんかも始めていたようです。で、その後、日本で言えばコミック・バンドにギター&ヴォーカルで参加し(グループ・ヴィタミン)、90年代末あたりからスタンダップ・コメディともどもどんどん人気が出たようで、今ではTV&映画でも主演級存在としてトルコではお茶の間の人気者( “お茶の間の人気者” って、もう死語?)だということです。音楽CDはコミックバンド時代のもの以外にも(しゃべくりCDもイロイロ出ているようですが、それも抜きにして)2作リリースされているようですが未聴(たぶんお笑い系…)。
で、突然のこの伝統歌謡アルバムです!もちろん、ただ今トルコで大ヒット中ということで(コメディアンの余技とかそういう次元じゃなくて)、その歌声、実に堂々としてますよ(ま、もともと音楽家志望だったようですから)。サナートのみならず、ハルク系、アンカラル風まで、とにかくトルコ伝統歌謡の王道を行く作品かと思います。また、バックのオーケストレーションも実にオーソドックスのかたまり、で、優雅かつゴージャス!昨年あたりからのトレンドなのか、伝統ビートをやや強調したアレンジがダイレクトに気持ちイイですねえ!前奏もエンディングも実に簡潔、もったいぶったところがないし。それで声域も広く、おしつけがましもなく、丁寧な歌い口でナイスなコブシ使いを十二分に楽しませてくれます。コメディアンにしておくのはもったいない?きっと、トルコ国民の皆さんも人気ピン芸人の意外な本格歌謡ぶりにお茶の間で驚いていらっしゃるかと(トルコのお茶の間って、あんまり想像できないんですが…)。