この2月(2017)に亡くなってしまったというビルマ・ギター(バマー・ギター)の名手、ウー・ティン、再入荷しました。結局、こちらが遺作ということに、合掌。
で、日本語解説がついてます〜by 柳田泰&荻原和也の両氏による、これで、MM誌ワールドベスト10にも推奨できるというもの!で、早くも >こちらで紹介されています(陳謝&感謝)!幻のビルマ・ギター(バマー・ギター)の名手、ウー・ティンの現地新録音 by 井口寛さん制作の新作(4作目)です!しかも、女性歌手 Hla Min ラミン&木琴パッタラー奏者の Maung Than Aye マウン・タンエーという3者によって録音されたカーラーボ/大衆歌謡スタイル!もちろん、スライド・ギター・ソロも素晴らしいんですけど、昔は現地でフツーに楽しまれていただろうこういう演奏、一番聴きたかった!
で、カーラーボとはいえ、本CDで聞ける演奏、古典とあまり変わらないようにも聞こえますが、どこか、控えめというか、あのミャンマー古典インストならではの予想不可能なダイナミズムはややもって抑えられて、とても静かな気持ちになれる歌と演奏とでも。
もちろん、ギターの演奏は変幻自在にめくるめいていますが、そこに、少々枯れた風合いなれど、それでいて実に優美な女性ヴォーカル、そして、少しミュートされた響きの奥ゆかしい? パッタラーも加わり、ちょっと世界中、他に較べようのないような、繊細優美なスライド・ギターとヴォイスと木琴の、たゆたうようなインタープレイが繰り広げられている、という雰囲気。う〜ん、これは宝ものですね、素晴らし過ぎます!井口さんの、世界に誇れる仕事だと思います。
詳しくは、東南アジア音楽世界での中のミャンマー音楽について、そして、ミャンマー音楽の中でのバマー・ギターについて、そのバマー・ギターの名人、ウー・ティンその人について、手に取るように描かれた両解説を、是非、お読みになって欲しいと思います。なんだか、ミャンマー音楽のわけのわからなさ?の霧が、晴れて来たような思いをしましたよ!
—————————————————-以下、サプライヤーインフォより
※解説付:柳田 泰&荻原 和也
謎多き、摩訶不思議なミャンマー伝統音楽
現代にその伝統を伝える演奏家に迫る、珠玉の現地録音シリーズ
世界的にも非常に珍しい、スライドギター、木琴、歌、三者合奏による大衆歌謡、ミャンマー古典音楽集
●国の政治情勢も相まってか、ミャンマーの伝統音楽はこれまであまり広く紹介される機会に恵まれてきませんでした。
●その源流を辿るとタイやインドなど国境を面した隣国との繋がりを見つけることができますが、その演奏形態や旋律は独特で、周辺諸国の伝統音楽と比べても独特の輝きを放っています。一定のルールはあるようですが自由度が高く、フリージャズと比較されることも多々あります。
●本作では、既に絶滅危惧種となりつつあるミャンマーのスライドギターを中心に、木琴と歌の三者による合奏で、カーラーボーと呼ばれる大衆歌謡とタチンヂーと呼ばれる古典を聴くことができます。
●大衆歌謡と古典の音楽的な境界線は曖昧で、年代で区分けされているため大衆歌謡の多くは古典の典型的な旋律を踏襲している曲も多く存在します。
●本作でギターを披露しているのはウー・ティン。1930年に生まれたミャンマースライドギターの生き字引です。ウー・ティンの演奏に耳を傾けるとミャンマー・ギターの真髄を感じることができるでしょう。また、三者の合奏に耳を傾ければ、ミャンマー伝統音楽の独特な音楽形態に気づかされるはずです。
●ギターを中心に据えた合奏を収録した音源は非常に珍しく、アルバムとして世に発表されるのは世界初となるでしょう。歴史的に見ても貴重な作品であることは間違いありませんが、音楽的にもミャンマー人の人懐こさをそのまま体現したかのような、ついつい聴きたくなる中毒性のある作品となっています。
●本作は、クラフト紙の風合いを活かした正方形の封筒状紙袋に、CDとカードを封入しています。
●また、シリーズ中唯一、柳田 泰氏と荻原 和也氏による詳しい解説も付いています。
※ミュージック・マガジン誌2017年11月号『Album Reviews』ワールド・ミュージック欄で10点満点を獲得しました。
曲目表:
1. Kat Kyaw De Myanmar
2. Ar Chit Yee
3. Ka Chey There
4. Pale Myeit Son
5. Chit Ye Sin
6. Kyun Dot Myat Tar
7. Shwe Min Gan
8. A Mat Ma Shi De A The
9. Moe
10. Ba Wa Than Tha Ya
メンバー:
Burmese Guitar – U Tin
Vocal – Hla Min
Pattala – Maung Than Aye