
なかなか魅力的な歌声と風貌の持ち主、1987年生まれの作詞作曲もこなすポーランド女性歌手、ハンカ・ヴォイチャック(Hanka Wójciak)を中心に、2010年頃に結成されたというバンド、カペラ・ハンキ・ヴォイチャック〜>こちらの2014年のファーストに続く、2017年のセカンド・アルバムです。
ダブルベース、ギター、マンドーラ、ヴァイオリンにパーカッションというシンプルでいて自在なアンサンブルをバックに、大まかに言うならば、ポーランドのスラブ系トラッドと、北欧ケルトのトラッドや、あるいは東欧にも通じるポーランド南部高地の古い民謡を横断するような音楽性をベースに、自由な感覚のトラッドとも、POPとも言えそうな自作曲が並ぶ本作です。
あるいは、ハンカ・ヴォイチャックの生まれは、小ポーランド、あるいはポドハレも言われるポーランド南部高地の小都市、山岳リゾートとしても知られる(旧王都のクラクフにほど近い)ザコパネであり、彼女自身、いわゆるハイランダーと呼ばれるグラル人の出自を持つそう。グラル人はポーランド南部、スロバキア北部、チェコ北東部、あるいはブコヴィナ(現ウクライナ)、ルーマニア北部といった地域に古くから住まう少数民族で、東欧各地の伝統音楽に繋がっているという “ハイランダー・ミュージック” を歌い奏でます。そんなハイランダーの伝統を足場に、自由な創作を交えポーランド音楽を更新するカペラ・ハンキ・ヴォイチャック、と言うこともできるでしょうか?
加えて今作では、ポーリッシュ・ポルカ風味も加味したジプシー・スウィング調も歌いこなすハンカ・ヴォイチャック(これがまたOKですねえ…)。と、いろいろ言うより何より、個人的な好みなのかも知れませんが、その声がイイですよねえ…。軽くもないし、もちろん重くない、透き通っているようで靭やかに張りもあり、スラヴィックな語感にピッタリ来るような歌声、という気がします。贔屓にしたいと思います。
1 Pieśń Powitalna
2 Jak Dwa Michały
3 Ja
Guest, Drums – Michał Pamuła
4 Taniec
Bouzouki – Jacek Długosz
5 Gody
Guest, Violin – Dawid Czernik
6 Czarodziej
Guest, Drums – Michał Pamuła
7 Niebo
Accordion (Harmoszka) – Hanka
Kalimba – Jacek Długosz
8 Wenus – Cud
Bouzouki – Jacek Długosz
9 Paris, O Mon Amour
10 Za-słona
11 Nie Ma Piękniejszej Chwili
Guest, Backing Vocals – Alicja Gac
Guest, Drums – Michał Pamuła
Bonus Tracks
12 Mąż
Bouzouki – Jacek Długosz
13 Słabość
Produced by Kapela Hanki Wójciak