トランス・グローバル・アンダーグラウンドのギタリストとして知られ、近年はエチオ・グルーヴをダブ化したダブ・コロッサスにおいて、変わらず冴えた感覚を見せつけているニック・ペイジのニュー・プロジェクトがこのシリアーナ。それは既にバンドでもユニットでもなく、コンセプトの共同体みたいなものだ…、ということですが、なるほど、シリアのカヌーン奏者アブドゥーラ・チャハーデ、そしてアイルランドのベーシスト兼作曲家ベルナード・オニールというパートナーを得て、在英シリア&パレスチナ出身の器楽奏者&女性歌手たちとのコラボレーション~ロンドンとダマスクスをつなぐ音楽の旅をドリーミーなインスト、そしてヴォーカル・ミュージックで聞かせてくれます。冷戦終結後に浮上した中世以来の宗教対立という構図の中、音楽において欧州と中東を結ぼうという試み、…のようです。