ジンバブウェの女性ンビーラ・マスターが70〜80年代に残した貴重音源のコレクション!
トーマス・マプフーモ、オリヴァー・ムクトゥジ、チウォニーソ…と、これまでジンバブウェからは世界に向けて素晴らしい音楽家たちが紹介されてきました。彼らに共通しているのは強いメッセージ性で、それは反逆とも言い換えることができるほど強い意志を持ったものでした。そして今回紹介する女性ンビーラ(大型の親指ピアノ)奏者ステーラ・チウェーシェもそのカテゴリーに含まれるアーティストのひとりとして、これまでに何度か日本でも紹介されてきました。そんな彼女の作品が、現在もっとも精力的にリリースを展開するドイツのワールド・ミュージック・レーベル“Glitterbeat”から登場。これまで入手困難だった彼女の初期音源を集めた編集盤となりました。
ステーラ・チウェーシェは1946年の生まれ。ジンバブウェの人口の4分の3を占めるショナ族に伝わる伝統楽器ンビーラ(Mbira)の演奏をティーンの頃から学ぶようになりました。ただ本来ンビーラは女性は演奏してはならないと言われていた楽器で、また植民地時代は楽器の演奏そのものも規制されていました。そんな中破天荒ともいえるそんな彼女が70年代前半に登場したことは、かなりのセンセーショナルな出来事でした。ただデビュー当時、女性である彼女のためのンビーラを楽器メイカーは作ろうとはしなかったそうで、彼女のデビュー・シングル「Kasahwa」(1974年)は、人から借りたンビーラで録音したのだそうです。その後80年にジンバブウェが独立すると、ステーラはインタナショナルなシーンに進出。ドイツを拠点に欧州で活躍をみせるようになった彼女は、ワールド・ミュージック・シーンの興隆とともに、さらに幅広い国々で紹介されるまでになりました。
本作はそんな彼女のデビュー録音を含む、74年から83年までにシングル盤で残された録音を集めた編集盤で、ほとんどのトラックが現在入手不可能という貴重な音源がギッシリと詰まっています。もちろん演奏は彼女のンビーラに歌、そしてマラカスの様な打楽器ホショという、伝統を重視したアンサンブルで楽しませます。さらにUKの人気エンジニアとして知られるニック・ロビンスによるマスタリングが施され、当時の輝きをリアルに感じさせる音場を再現するなど、かなり手の込んだ制作がなされています。
トランシーかつクールなサウンドがアルバムを通じて楽しめる本作。アフリカの伝統音楽を愛する全ての人にお勧めいたします。 (メーカーインフォより)帯・日本語解説付
1. Ratidzo
2. Chipindura
3. Kasahwa
4. Gomoriye
5. Gwendurugwe
6. Mayaya (Part 1&2)
7. Musarakunze
8. Nhemamusasa