サンティアーゴ・デ・クーバを拠点に活躍するトレス奏者セサル・エチャバリア率いる、ソンのグループ、ソン・デ・オリエンテのDVD付のアルバムです。同じサンティアーゴ・デ・クーバ地方出身のロス・コンパドレスに捧げられています。ロス・コンパドレスといえば、ロレンソとレイナルドのイエレスエロ兄弟のデュオ・グループで、1970年代には来日もした日本でもお馴染みのトローバ~ソン~グアラーチャ系のグループです。弟のレイナルドのまえにはコンパイ・セグンドが、メンバーだったことでも有名です。このマタモロス直系のロス・コンパドレスを取り上げているだけあり、コクのある演奏が素晴らしいです。勿論現代のグループですからスピード感は強調されてはいますが、リズムとトゥンバオ(リフ)に余裕があるというか、間が感じられる演奏でリラックスして聞けるから、味わい(サボール)もしっかり感じられます。ロス・コンパドレスの代表曲の他、自作もイイですね。特に、8曲目はモダーンなメロディとアレンジで、フィーリンっぽくもあります。そして、もう一つの魅力は、セサル・エチャバリアとホルヘ・ルイス・レジェスのコクのあるヴォーカルということになります。美声というのとは違うちょっとしゃがれた声でありながらも野太さと張りがある歌い口は魅力です。ソン系近作のオススメ作品です。
また、DVDには、サンティアーゴ・デ・クーバの音楽関係者たちとレイナルド・イエレスエロを中心とした証言などを中心としたサンティアーゴ・デ・クーバ音楽とロス・コンパドレスの音楽の秘密を掘り下げる46分のドキュメンタリーを収録。勿論演奏シーン(ロレンソとコンパイ・セグンドの共演やレイ・カネイ名義でのテレビ出演なども)も多く収録されています。リージョン:ALL/NTSC(インポーター資料から)