>Super Biton National de Ségou(=2on1CD), >Mystère Jazz de Tombouctou, >Kanaga de Mopti に続く、社会主義マリの国営レーベル “KUNKAN” 録音 / ル・ケネ・スタール・ドゥ・シカソ&>オルケストル・シディ・ヤッサ・ドゥ・カイの作がリマスター済みで初復刻されました!マリの地方色豊かなローカルPOPバンドのアルバムをリリースすることにおいて、絶後の内容を誇る “クンカン” のレアーLP群は、まさにマリ音楽マニアにとって垂涎のコレクターズ・アイテムでしたが(すべて1977年に録音された、たった11アイテムのカタログ〜80年代に2作追加制作、しかも当時、限定プレスでのリリースということで、あまりにも流通がなく、たぶんその頃の日本には1枚も入荷していなかったハズ)、長生きはするものです。こうしてCDで手軽に聴けるようになったのですから…。
ル・ケネ・スタール・ドゥ・シカソはその名の通り、マリ最南端、ブルキナファソやコートジヴォワールと国境を接するシカソ州のバンド。シカソ州といえば一般にはバンバラ人が多く住まう土地で、いわゆるワスル音楽の中心地なんですが、ワスルといえばペンタトニックな歌&ちょっと音頭風のビートで、我が国でも一時一世を風靡しました(…大袈裟)。そんなワスル風味も感じさせながらも、やや変拍子系ビート感を基本とするマンデっぽいギター&オルガン、ホーンズも備えた豪華なバンドを背後に、ややペンタトニックからはハズれながらも朴訥さを残したノリのイイ歌声がコーラスとともに炸裂する活気に満ちた内容の本作、クンカン・レーベルらしい聴き応えあるアルバムであることは確かで、ことに冒頭曲、どこかスペイシーなオルガン・サウンドに前傾ハチロクビートが被って行くイントロ、もうその出だしで持って行かれること必定でしょう!(邦訳解説付)