“ラボラトリム・ピエシニ” 2013年結成というから、同じくポーランドの女声コーラス・グループ、先だって当店でも話題を呼んだ>スタリのデビューに遅れること1年、ほぼ同時期に活動開始しているのは、何かの必然でしょうか?ユーロ・トラッドの深奥ともされるポーランドの、その伝統的な女声ポリフォニーを駆使していることは、 3人組スタリの轍を踏んでいるんですが、この7人組ラボラトリム・ピエシニは、ポーランドのみならず、その周辺の土地を巡るようにして、バルカン、ウクライナ、そしてスカンジナビア、ベラルーシ、ジョージアに至るまで、多くの土地の民謡をヒントに、メンバーそれぞれの即興も交えながら、自由なコーラス・ワークを聞かせています。また、コーラスに加え、それぞれが奏でる様々な民俗楽器、シャーマン系ドラムやハルモニウム、親指ピアノ、フルート、あるいは、ゴング、ウィンド・チャイム、シンギング・ボウ、各種シェイカー等々の演奏が、伝承歌をハミだして響く音の広がりを生み出しているとも聞こえます。トラッドとともに自然音にも触発されているというその音楽性は、直感的でワイルドであり、時にシャーマニック、かつフェミニンということになるでしょう。まるで、欧州に国境というものが生まれる遥か以前、古代ヨーロッパの青銅器時代を幻視するような音楽?なのかも知れません。加えて、狩りをし、テリトリーを引く男達には歌えない音楽、女達にしか生み出せないない音楽という風にも感じます。
本作は、デビュー3年後の16年ファースト、17年のセカンド、18年に入ってリリースされた3作目とともに、同年、立て続けにリリースされた18年の4作目となる最近作です。
1.Biaroza 10:09
2.Izgrela mi 05:00
3.Oj palya 05:15
4.Karanfilče devojče 05:38
5.Carkoŭka 06:17
6.Dilmano dilbero 03:39
7.Jana Turcin 08:27
8.Rana na Ivana 11:12
9.Xori/Passa 07:30
10.Rasti 06:45
Laboratorium Piesni / Song Laboratory:
Alina Jurczyszyn – voice, shamanic drum, percussion instruments
Kamila Bigus – voice, shamanic drum, violin, turkish rebab
Lila Schally-Kacprzak – voice, shamanic drum
Magda Jurczyszyn – voice, tambourine
Iwona Bajger – voice, shruti box
Alina Klebba – voice, percussion instruments
Karolina Stawiszyńska – voice