☆Don’t Trust Your Neighbors
☆Why the Mountains Are Black
☆Five days Married & Other laments
☆Alexis Zoumabs
幾つかのレーベルを渡り歩いてリリースされるロバート・クラムのイラスト・ジャケ、そしてSPコレクター、クリストファー・キング所蔵のSP音源 からキング自身が選曲制作したギリシャ音楽シリーズ〜この起点がアルバニアにあったことは注目されるべきで、その後もアルバニア、マケドニアに隣接するギリシャ北東部山岳地帯のイピロス地方(出身者)の戦前音源に的を絞ったCDをリリースしているのはご存知の通り。その最新作はダウンロードのみで、さる2018年5月に出版された “Lament from Epirus” Book のサウンドトラック “Lament from Epirus – Soundtrack”、そして本CD〜アテネで活躍したイピロス出身のクラリネット奏者、キツォス・ハリシアディスのSPコレクション、ということになります。なぜ、イピロスなのか?それは、まあ “Lament from Epirus” を読んでいただくのが早道かも(自分まだ購入していませんが)。それにしても、なんて奔放かつメランコリーに満ちたクラリネットの音色!古代から、ギリシャ人はじめ、ルーマニア人、アルバニア人、ユダヤ人が住まうイピロスの地(現在人口35万)は、マケドニア、東ローマ、そしてオスマン・トルコといった帝国に抵抗して来た歴史の中で、こんなにも生き生きとした音楽を、綿々と受け継いで来たというのがクリストファー・キングの着眼点であり、それは、ヨーロッパとオリエントのはざまの、始原の音色につながっているのじゃないか? というのが、シリーズを通しての仮説、みたいですね。よくわかりませんが…、イピロスに残されて来た音楽こそ、キリスト教世界としての西欧以前の、ヨーロッパ音楽の源泉である、ということでしょうか?