GORAN BREGOVIC / 3 LETTERS FROM SARAJEVO

ボスニア・ヘルツェゴヴィナを代表する作曲家、プロデューサー、ゴラン・ブレゴヴィッチが故郷の町サラエヴォと、そこに息づく3つの宗教、イスラーム教、キリスト教、ユダヤ教をテーマにした2017年最新作。

イスラエルからチュニジア系女性歌手Riff cohenとLGBT系男性歌手Asaf Avidan、パリからはラシッド・タハ(2曲!)、スペインのBebeら、3つの宗教を信奉する様々な国籍の歌手たち、そして、3つの宗教の音楽家が共通して用いる楽器ヴァイオリンがフィーチャーされています。

サラエヴォは中世から3つの宗教が隣り合って共存してきましたが、1992年、ユーゴスラビアが崩壊し、ボスニア・ヘルツェゴビナが独立すると、国内に暮らすセルビア人の武装勢力がサラエヴォを包囲し、サラエヴォ市民に対する民族浄化作戦が行われました。3年間で12000人以上が殺害され、50000人以上が負傷したものと言われてます。中世から何世紀にもわたってイスラーム教、正教会、カトリック教会、ユダヤ教が共存してきた町サラエヴォはこの時、その名声を失いました。

現在のサラエヴォは復興が進み、紛争の痕跡は目立たなくなっているそうです。しかし、人の心に根付く、不幸な記憶は消えていません。

 

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