DANI & DEBORA GURGEL / RODOPIO

ソロ・アルバムを挟んでサンパウロ、ノーヴォス・コンポジトーレス発の洗練されたサンバ・ジャズを奏でるファミリー・クアルテート再び。五作目は演奏する人への悦び、プレイアビリティにも目を配ったアルバム。

冒頭からエルメート・パスコアルやイチベレの提唱するムジカ・ウニヴェルダーヂを彷彿とさせる高度なリズム・セッションと、朝の鳥の鳴き声を模したような溌剌としたスキャットの応酬。もはやお家芸とも云える、サンパウロ流の吹き抜けるようなサンバ・ジャズに女性らしい柔らかなタッチのピアノ・アレンジ。セーザル・カマルゴ・マリアーノのトリオにサイド・マンとして呼ばれる鉄壁のリズム・セクションのことですから、曲名”1-7-1″もポリリズムの新たな解釈と思いきや、堀内隆志さんの解説によると刑法上の窃盗のことを指すらしいです。こういう発見も翻訳・解説のついた国内盤ならでは。「THE BEST OF DANI&DEBORA GURGEL」にボーナス・トラックとして収録されたm-2″Nó de Viajante” や、今や幻となっているS.S.W.ト・ブランヂリオーニの1stアルバムに収録されたm-10″Outras Noticias da Praça Central”なども、新たなリズム解釈や展開を加えて新録。今作はブラジルだとパートごとに楽譜が販売され、音源と一緒に演奏を楽しむことができるような工夫が為されているそう。DDG4の来日前からのファンとしては、前四作に収録された楽曲やダニとデボラ、それぞれのソロの楽曲なども含めたピアノ/メロ譜が欲しいと思うのですが、いかがでしょうか?(サプライヤーインフォより)

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