★クララ・ペーヤ / オセアネス
カタルーニャの異色ピアノ・ポップ・アーティストが、“水”と“女性”をテーマに描く、クールな安らぎと瞑目のポップネス。
●ビーンズ・レコードよりご紹介している前作『ミムルス』(BNSCD-8923)が各方面から好評を得た、カタルーニャの異色ピアニスト、クララ・ペーヤの2017年作。
(その前作は、くるりの岸田 繁さんが、ミュージック・マガジン誌2016年個人ベストで、「いちばん聴いた盤」と評価しておられました)
●これまでのスタイル同様、同郷カタルーニャのヴォーカリストをフィーチャーしていますが、今作で参加しているのはバルセロナ発多国籍バンド、バルセロナ・ジプシー・クレズマー・オーケストラ(現バルセロナ・ジプシー・バルカン・オーケストラ)の紅一点ヴォーカリスト、サンドラ・サンジャオ。
●『オセアネス』というタイトル通り“水”をテーマに掲げた今作は、軽やかさと暖かみのあるメロディーが印象的だった『ミムルス』とは対照的に、しなやかな中にも影を抱えたクールな音色が全体を包みます。サンドラのヴォーカルも前作のジュディット・ネッデルマンとは対照的に、抑制された歌声にほの暗い哀愁を漂わせています。
●しなやかで冷たい印象のメロディー、残響や微細なグリッチノイズを使ったアレンジなど、水、それも底が見えない深海にゆっくりと落ちていくような感覚に浸りながら、そこには恐怖や悲しみとは違う、独特の安堵感が浮かび上がります。やがてそれは“水”を通して“女性”へのオマージュを捧げたという本作のもう一つのテーマと重なっていきます。
●冷たさ、流れ、畏怖、そして穏やかさ、母性といった“水”にまつわるイメージを巧みに表現の中に落とし込みながら、これまでのアルバム同様にクララ・ペーヤの特質のポップネスを表出させた秀作。彼女の音楽が持つ映像的、映画的な拡がりを持ったイメージが、全体にしっかりと浸透したアルバムに仕上がっています。(メーカーインフォより)
1. ABATYSE
2. GALONE
3. PLINA
4. OCEANES
5. JITKA
6. MERONDA
7. MELCENIA
8. OHIA
9. EMINOA
10. YEPÚNIDA
11. ARÍSTIDES
12. DADÍNIA