AGNES JAOUI Y EL QUINTET OFICIAL / DANS MON PAYS

全然知らない歌い手だったので、これは新作なのかな?と、それにしては今時(円安にしては)安いなと思いつつ試聴してみたら、ボレーロ、カンシオンやボサノーヴァ、ホローポ、カタラン・ルンバからシャンソン、タンゴにファド、そして果てはアンゴラのセンバまで、一人の女声を取り囲むように、かわるがわるにゲスト含め男性達がそれぞれ味のある歌を聞かせもする作で、基本ギター2本&コントラバスとコンサルティーナによるキンテート・スタイルによるバックも、さまざまな音楽スタイルの混淆を自然に聞かせて、なかなか流麗ということで、ふ〜ん、これはけっこう大人向きの歌謡音楽アルバムだなと、注文してみたなら、なんと十数年以上も前の旧譜、09年の作でした…トホホ、
が、それはそれとして、アルバムの主となる女声、アニエス・ジャウィ、達者とは言えないかも知れないけれど、サラッとした情感の透ける歌い口は嫌味がないし、ほか、ファドのカマネーやアンゴラのボンガといったビッグネームはじめ、ギター弾きで歌もこなすメキシコ出身のロベルト・ゴンサレス・ウルタードや、カタランのジプシー系ギター&歌のアントイネ・タト・ガルシアといった面々が参加した本作、南米&南欧に由来するリズムとメロディー、そして歌のあり方をサリ気なく繋いで、時には解け合わせ、違和感なく並べた佳作、とも聞こえるんですが、いかがなものでしょう?

なお、本作が2作目のリーダー・アルバムとなるアニエス・ジャウィは(ほか、ファースト06年と15年サード作があり)、1983年に女優デビュー、以来、20数本の映画に出演、そのうち8本で監督や脚本もつとめている映画人であり、その監督作品でモントリオール世界映画祭グランプリ受賞(00)、あるいはカンヌ映画祭脚本賞(04)も受けている人だということ。アラン・レネやジャック・ドワイヨン、セドリック・クラピッシュの映画に出演し人気を得たそうですから、ご存知の方も多いんじゃないでしょうか?当方は、よく知りませんでしたけど、そのお顔には見覚えがあるような気も…

1 Cuanda Me Faltas Tú
2 Amor e Distancia -Feat. Roberto González Hurtado (Mexico)
3 Dikanga -Feat. Bonga (Angora)
4 Manantial
5 Amor Fantasma -Feat. Roberto González Hurtado
6 Sur Le Pont de L’Alma Mia -Feat. Dimas md (France)
7 A Cantar é Te Deixas Levar -Feat. Camané  (Portugal)
8 Dans Mon Pays
9 Nuestro Secreto -Feat. Antoine “Tato” Garcia (Catalonia)
10 Olhos Nos Olhos
11 Letras -Feat. Antoine “Tato” Garcia
12 Todo Cambia -Feat. Roberto González Hurtado

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