WIFA / LOUKEN

過日当方 twitter にて〜「出ました!チュニジア、アラビックPOPの新女王!なんか見下されているような高飛車ジャケにちょっと引いてしまったんですが、でも、歌良し曲良し、見下されてもイイ!って気分になってしまったのでした。」 なんて書いてしまましたが、一聴、そー思ったんですが…
でも、この人、チュニジアのスース高等音楽大学院で、ヴィラ=ロボスに関する研究論文とか、アラブ音楽の多様性に関するブラジル音楽の影響に関する論文を書いていたり、2010年には渡仏、パリでクラシック・ギターを本格的に学び、並行してパリ=サクレ大学に入学、発声テクニック〜声楽や舞台演出について学んだりした後に、チュニジアに帰国して自ら作曲を開始、2018年にはアラビア語及び仏語で歌ったアラビック・スタイルのPOP曲群? “Entre Deux” をリリースしてもいるそうで(CD or 配信アルバム発見できずにして未聴)、なかなか面白いキャリアの持ち主なのでした。
というわけで、”高飛車な?アラビックPOPの新女王!”〜というのは、ちょっと見当ハズレなのでした。
が、そんなキャリアを背景に本作では、彼女自身作詞作曲したPOPかつ新鮮なアラビック・ナンバーを確かな歌唱力で歌っていることには間違いはない、ということで、お許しを!

〜御本人としては、本作について以下のように語っています(よくわからないままに意訳しみました)。
「私にとってこのアルバム “Louken (=And If… ) ” は、2018年に発表した私のプロジェクト”Entre deux (=Between two)” の深化、あるいはその延長、もしくは、残響から生まれたアルバムです。というのも、チュニジアの地に生まれ育ち、その後、フランスに渡って学んだことは、私にとり、オリエントとヨーロッパ、あるいは、無意識と意識といった2つのものの狭間にある何かを、常に私の中に呼び起こすようになりました。それはまた、喜びや悲しみ、自信や疑念、安心や恐怖いった感情とも、複雑に結びついているような気がします。でも、私はすべての感情、 すべての感じ方を歓迎するでしょう。その狭間の中でこそ、私は成長します。
“Louken (And If…) ” は、後悔に起因する言葉であると同時に、希望を呼び起こす言葉でもあり、未知への冒険を誘う言葉でもあります。この言葉は、アルバムの幾つかの曲において、それらを結びつける糸のように繰り返し登場し、あなたとわたしの関係、歌と聴き手の間にある扉を開いたままにしてくれます…」。

と、あんまりよくわからなかったのですが、でもその言葉からは、とてもセンシティヴな人、バランス感覚のある人、ということはわかります。そしてその歌声、自作自演の曲調も、バランス良く、さまざまな要素を自ら取捨選択、そして濾過してたどり着いた境地がここ聞こえていて、その歌声は、何か、呼びかけのようにも感じられます。

1 Louken
2 Faker
3 Had mahou
4 Hob mkhobbi
5 Lkitek
6 Ye shems
7 Nhoun alik
8 Waktech
9 Ye ensen

Daniel Malet : Guitares
Arno de Casanove : Claviers et trompette
Goulven Kervizik : Violoncelle
Souhayl Guesmi (Ratchopper) : Claviers et beats
Skander Ben Abid : Clarinette
Nidhal Jaoua : Kanun
Momén Mahri : Guitares
Mohamed Ben Salha : Kawala
Damien Fleau : Saxophone

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