GEORGE DALARAS / PESTO GIA MENA


生き急いでいるのか? それとも、ミノスという大レーベルの枠を離れ、自由の身を楽しんでいるのか? ここ数年、その都度レーベルを変えて、共同名義も含め旺盛なペースでアルバムを発表するヨルゴス・ダラーラス68歳、こちらが最新作ソロ名義17年作となります(入荷が遅くなってしまったこと、お詫びします)。
で、バックギャモンを前に眉間に皺をよせて一考するジャケ、何を意味するんでしょうね? 表題  “PESTO GIA MENA”  は「わたしのもの」といった意味になるんでしょうか。 そしてその表題曲は一昨年の北米ツアーを共にしたエレーニ・ヴィターリ63歳とのデュオ、中東ムード横溢するリズムにドラマティックなストリングス舞う中、フラメンコ風のギターもかき鳴らされ、互いに投げつけ合うような絶唱を交わすダラーラスとヴィターリ…かたき同士の恋人同士とでも? なんだか、滅多に聴けないような凄味ある曲に仕上がっています。あるいは、ダラーラスの随唱者からデビューした人気女性メリーナ・アスラニドゥ47歳とのデュオは、互いに来し方を嘆きあうような、淡々とした調子ながらも深い哀愁に染まった曲。全体、多くはレベーティカ、ライカにつながる曲想の中で、これまで以上にダラーラスの歌い口は、苦渋に満ちているようにも、嘆きが深くなったようにも、あるいは、どこか捨て鉢のようにも聞こえて来ます。ま、要するにディープだということですが、この濃い情感、既に日本の歌謡曲には、まず見られないような歌声、歌のあり方を、多くの人々が受け止めているギリシャという国、いったいぜんたい、どういうことになっているんでしょうね(たまさか、経済的な破綻を表現している、とは思えませんが)。

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