YENCHIT PHONTHEWI / 12 STYLES, 14 HIT SONGS, Mae Widow Sing series

★イェンチット・ポンテーウィー
『 12のスタイル、14のヒット曲』

1960年、タイ北東部イサーンはコーンケーン県の生まれ、もともと、現地のパブでショー歌手として歌っていた人だそうです。イサーンの音楽家、スムトゥム・バイリムブンに見出され、モーラムを教わりつつデビューしたそうですが、その歌い口にモーラムの味わいは薄く、その分、イサーン色は薄いなりに、POPなルークトゥンを歌って80年代初めにデビューしました(82年の人気盤 LP “Krishna-Brand “が初作)。その後、80年代の終わり頃までに残されたアナログ盤やカセット音源からの選曲かと思しき本CDには、ライトなディスコ調やラテン調なども並び、変化に富んだ感触のルークトゥンが14曲が並んでいます。
その、涼し気で、どこか、さっぱりとした歌い口が、パブのショー歌手としての出自を物語っているようにも聴こえます。そして、聴き進むうちに、どこか、その場限り、歌い終われば明日は旅の空? そんな暮らしから生まれる歌、のようにも感てしまいました(そこが、他のイサーン出身のルークトゥン歌手たちとは、ちょっと違っているところでしょうね)。実際、タイ北東部のみならずタイ南部マレー半島まで巡って歌い続け、南タイ語にも堪能だったそうです。
ところで、その後、イェンチットは、どうしているものかと、ふと思い立って調べてみたら、TOPLINE MUSIC に所属し、今も現役で歌っていました。相変わらず、どことなく寄る辺ない歌声ですが、カスレ気味の節まわしは、それなりの味わいも出していて、今となっては、コレはやっぱりイサーンなんだなあ…、と、感じてしまった次第。>★

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