UKを代表するワールド・ビート・バンドが偉大なグナーワ音楽家を迎え新作を発表!
現代的なジャズの枠を超え、モロッコの伝統的なグナーワ音楽、アフリカや中東のリズム、ファンク、さらには電子音楽など、さまざまなジャンルの要素を取り入れた音楽性で人気を博すイギリスのグループのワージュ(Waaju)。その彼らがグナーワ音楽家の第一人者マジッド・ベッカスを迎えて、素晴らしい新作を発表してくれました。
西アフリカのマンディング語で「鼓舞する」「活力を与える」といった意味を持つワージュは2014年にロンドンで結成。中心人物であるドラマーのベン・ブラウンは、アフロビートやラテン音楽、グナーワ音楽、ジャズなど多様なスタイルに造詣が深いメンバーを集め、それらの音楽を融合させることでバンドに独自のスパイスを加えてきました。そしてそのリズムとメロディが織りなす豊かなサウンドスケープにより、時には深いトランス状態を生み出して聴衆を引き込む不思議な魅力を持っています。そんな彼らはこれまでに“Waaju”(2018)、“Grown”(2020)の2作を発表し、いずれも彼らの成長を示す作品として高く評価されてきました。
その彼らが2024年に発表したのが、ライヴ形式で録音された本作“Alouane”でした。アラビア語で「色」を意味する本作は、グナーワ音楽において重要な役割を果たす7つの色を象徴しています。これらの色はそれぞれ異なる精神を表現し、ほとんどのグナーワの歌はこの7つの色のどれかに関連しているのだそうです。そしてそのグナーワ色をさらに深めるためモロッコから呼び寄せたのが、そのシーンの第一人者として知られるマジッド・ベッカスでした。これまでにサックス奏者ファラオ・サンダースやアーチー・シェップ、ピーター・ブロッツマンといったジャズ音楽家と共演してきた彼は、過去10年に渡ってグナーワの復興に貢献してきました。
本作は教会を利用したライヴ会場として知られるロンドンのChurch of Soundで主に録音され、そこでは観客の叫び声によってエネルギーが頂点に達する⑦‘Bania’のような曲から、繊細で内省的な雰囲気を持つマジッドのソロ曲④‘Lando’のような曲まで、さまざまなスタイルのサウンドを披露しています。そしてハーモニックなニュアンスとダイナミックな感性が光り、かつ軽やかなフットワークで進行する本作は、グナーワ・フュージョンへの強力な貢献を果たしてくれました。
グナーワ特有の土着性と、多彩なバックボーンを持つ音楽家たちによる見事なグルーヴとの融合を是非お楽しみください。〜メーカーインフォより
●日本語解説/帯付き
1. Barma Soussandi
2. Fangara
3. Ben/Majid Mic Chat
4. Lando (Majid Solo)
5. Bala Moussa
6. Hommage Aux Ancetres (Zid lmal)
7. Bania
8. Majid/Ben Mic Chat
9. Bossoyo
10. Maroc/Boulila (encore)