VENTO EM MADEIRA / ARRAIAL

木管とスキャットが鮮明に映えるチェンバー・ブラジル音楽〜マリタカ・レーベルを主宰する女性木管奏者/コンポーザー – レア・フレイリ(flute, b.flute)と、パウ・ブラジルなどのスーパー・グループにも在籍し、歌伴にもひっぱりだこの木管奏者テコ・カルドーゾ(as, ss, flute)。ふたりの木管にマリア・ヒタのバックでもその名を知られるチアゴ・コスタ(p)、トリオ・コヘンチでラテン・グラミーを、ランディ・ブレッカーとのアルバムでグラミー賞ジャズ・アルバムを受賞しているエドゥ・ヒベイロ(drs)、メンバーそれぞれが持ち寄った楽曲に、北欧ジャズ界で20年に渡り活躍したフェルナンド・ヂマルコ(b)、そして静かなる音楽でフィーチャーされること数多のモニカ・サウマーゾがスキャットで5曲に参加。ヴェント・エン・マデイラの3rdアルバムは、木管の吹奏と知的なスキャットが織りなすクラシカルで澄んだハーモニー、ジャズ・ピアノの鮮やかな即興と陰影、サンバ・ジャズから可変拍子を取り入れたエキセントリックなリズムの推進力、それらが美しく昇華した現代ブラジル・インストゥルメンタル音楽の金字塔といっても過言ではない作品。
レア・フレイリ作曲の”Samba da Lana”から、サンバ・ジャズと不思議なハーモニーが絡みあうという鮮烈な幕開け。インストにも関わらず奥深いリリシズムが感じられるコバルト・ブルーという題のチアゴ・コスタ作”Azul Cobalto”、壮大なクラシック曲のように、前章-テーマ–サイド・ストーリーと展開してゆくエドゥ・ヒベイロ作”Maracatim”、フランチェスカ・アンカローラが詩をつけてリリアナ・エレーロに提供した楽曲のセルフ・カヴァー”Temperança”、エギベルト・ジスモンチやウエイン・ショーターのハーモニー理論にオマージュを贈るテコ・カルドーゾ作の”Sete Almas”、レア・フレイリが96年に書いた輪舞曲を哀愁のスロー・テンポで体現した”Ares de Borero”、16分の31という常人には刻みきることのできない拍を伸びやかなハーモニーのなかに潜めた”Pintou um Grilo”、愛すべき家族に捧げたボサ・ノヴァ”Zezé”、美食のための音楽との衝撃の出会いからチアゴ・コスタが楽曲に発展させたという”Arraial na Rumaica”まですべてオリジナル・コンポーズで、かつての”Felipe ná area”のように新たなスタンダードになっていく予感を抱かせる佳曲ばかり。澄んだ音像のなかに作り手の思いを見い出すことができます。(サプライヤーインフォより)


△収録曲のライヴ

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