トルコ/オデオン音源を使用した1960~70年代初めのハルク集、となっていますが、いわゆる現在のハルク一般とは趣きが違った曲が多く、要するに“ハルク=フォークロア”という意味でのハルク集かも知れません。何にしても、民謡/民俗音楽/古典音楽/都市の大衆音楽が渾然一体となって発展して来たトルコらしい、スタイルを限定しにくいレトロ民謡集と言えるでしょう。内容としては、男女歌手達が、主にサズ弾き語りを中心とした簡潔な演奏で、素晴らしい歌声を披露してくれるわけですが、中にはタハリールを聞かせる歌手も複数収録、西アジアの声楽/歌謡の奥深さを教えてくれるとともに、加えて、その音の良さ、オデオン録音ということで、マスター音源からきっちりとデジタル・マスタリングされたのでしょう、新録のようにも聞こえます。これはオススメできます。まだまだ知られざるメリスマの宝庫、トルコからの贈りもの!