☆旧ベルギー領コンゴ地方の伝統音楽 (2019 再発 )
本作は、古くからアフリカ音楽を聞かれてきた方にとってはバイブル的存在とも言える名盤で、20世紀初めのアフリカ音楽を聞くことが出来る、非常に歴史的価値の高い作品をCD化したものです。ここに収録されているのは1935年から36年にかけて旧ベルギー領コンゴ(現在のコンゴ民主共和国)東部と、そのお隣りのルワンダ=ウルンディ(現在のルワンダとブルンディ)にて行われたフィールド・レコーディングの数々。ベルギーのドキュメンタリー映画製作者アーマンド・デニスとその妻レイラ・ルーズベルトが率いる探検隊による録音で、ベルギー政府の援助のもと映画の素材作りのために行われたものだったそうです。レコーディングの内容は、主に中央アフリカの熱帯雨林を生活拠点としている先住民族ピグミーたちによる歌と手拍子を使ったプリミティヴな伝統音楽のほか、その他様々な部族による太鼓や木琴(もちろん西洋化されていない土着のもの)を使った合奏、さらにはピグミーの成人の儀式まで収録されるなど、ここでは西洋文化に全く染まっていない、ありのままの“アフリカ”を聞くことが出来きます。本録音は当初SP盤6枚(12曲)で発売され、戦後になってLP化されましたが、さらに1977年には中村とうようさんの監修でキング・レコードから日本盤がリリースされたこともありました。そして33年ぶりの再発となる本作ではオリジナルSP盤を元に、リマスタリングが施され、さらにSP盤に付いていたオリジナル・ライナーノーツの完全翻訳も収録しています。