1950年代を中心に行なわれた、アフリカ・フィールド・レコーディングの初期録音にして最高峰のヒュー・トレイシー・シリーズ中の一枚。本CDは、南アフリカ&ボツワナ&レソトの音楽を集めたものです。このあたりの現代ポピュラー音楽にも通ずる力強く躍動感溢れるコーラスを中心に、マウス・ボウやリード・パイプ・アンサンブル(太さや長さの違うパイプを吹いてつくるアンサンブル)などが収録されています。特にレテ族のリード・パイプ・アンサンブルの不思議なミニマム感とフルツェ族の無垢な子供のコーラスの躍動感は必聴。そして、クライマックスは、ソト人によるレシバ・マウス・ボウの独奏です。ビビリ成分を含んだマウス・ボウの音と低音の唸り声がシンクロし、ホーミーなどにも通ずる不思議な世界を聴かせてくれます。