トゥリッパ・ルイスの実弟で現在ブラジル新世代音楽の世界でも屈指のプロデューサーに数えられるグスタヴォ・ルイスがプロデュース、ストーリー・キング・ジャケの1st、クレズマーのバンドがブラジルの演劇舞台音楽を演っているような2nd、サンパウロらしいシニカルな視点が輝く大編成のトゥルーピ・シャ・ヂ・ボルド、この3rd アルバムではエクスペリメントなアフロ・ファンキからサイケデリアまでに世界観を広げたパーティー・ミュージックを展開。
近年ソロ・アルバムをもリリースしているグスタヴォ・ガロを中心に、木管奏者から女性vo / choruses まで充実した編成で、ブラジル音楽から世界の舞踏音楽のエッセンスをも煮込み、サンパウロらしいインディ・ロックの洗練へと昇華させてしまうのがこのグループ。カバー・アートでも大魚を抱えたりフルーツを木登りで採ったり、一見すると何だか妙な空気の漂う森のピクニックなのですが、1st のカバー・アートを踏襲したヒッピーの裸カップルが逃避行、それを狙い打つメンバーも居たり、裏面は大人たちが姿を消したところにオムツ男児とその姉が佇むというシュールな展開がこのバンドのらしいところです。幻想的なロング・トーンに導かれる冒頭の”Jovem-Tirano-principe-Besta”に始まり、マイナー・ペンタトニックと女性vo.に木管アンサンブルでサンバ・ファンキを体現したユニークな”Meu Tesao E Outro”、egの織り成す構成音とアフロ・ヘギなベース・ラインで現代流にリノベイトされたフォホー”Diacho”、などユニークな革新的サウンド・メイク。イフェクト処理とチェンバー・ロックなアンサンブルで稀代の名曲へと仕上がっているm-7″Cine Espacial” など聴きどころ盛り沢山で、手厚い音の悦びに満ちている作品。(インポーター資料から)