*Tehardine / Vocals: Aghaly Ag Amoumine
*Tehardine (Bass): Mohamed Ag Amoumine
*Calabash: Ibrahima Maïga
タラウィット・ティンブクトゥ、上記の通り、マリ北部のトゥンブクトゥ(ティンブクトゥとも呼ばれます)の3人組です。テハルディン(テハルダント)というのは西アフリカの弦楽器、ンゴニのこと(トゥアレグの人々の間ではそう呼ぶそうです)、そんなンゴニ弾き語り&ンゴニのベース・パートを演奏する兄弟ふたりと、カラバッシュ(デカくて丸いアフリカの瓢箪のこと。これを2つに割って乾燥させれば、大きな器にもなるし、切断面を地面に置いて叩けば打楽器にもなります)奏者の、トリオによるアルバムですが、シンプルかつサイケデリック!?…、デザート・ブルース亜種ということになるかとも思いますが、なんともブッ飛んでます。
だいたいにして砂漠のジミヘン!?こんなディストーションのかかったようなンゴニ・プレイ、初めて聞きましたよ。このンゴニがまたフリーフォームというか、インプロヴィゼーションというか、民俗音楽というか? 同じようでいて微妙に変化していくフレイズをコレでもか!まだか?もっとか? といった具合に繰り返す中、そこにまた奔放な即興歌というか、アジテーションというか、テキトーにも聞こえるヴォーカルが、同じような歌いまわしを繰り返し、そして時折、不規則で間歇的な合いの手風バック・ヴォーカルが、オフ・マイク状態で聞こえて来ます。加えて、カラバッシュ奏者、掌の腹でバスドラ風リズムを微妙な変化をつけながら叩きつつ、もう一方のリング付きの指を使ってカラバッシュを叩き、カタカタと不規則な打ち込み? みたいな乾いたリズムを醸し続けます。
どういう事情なのか、お蔵入りになっていた2011年録音。たぶん、あまりにも放埒な出来ばえにスタッフが恐れをなし、一旦はリリースを断念、 けれど7年後、たまたま聴き直してみたら、やっぱりコレは世に問うしかないだろうと考え直し、今になってリリースされた幻の録音、ということの顛末なのか、どうか?
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