ベニンで結成された10~17歳の7人組少女によるアフリカンなPOPロック・バンド!?2年間の修練を経てのデビュー作ということです。変拍子ビートと可愛らしいユニゾン・コーラスで、アフリカ女性の自立を歌い上げています。もちろん、この少女たち、自発的にバンドを結成したわけではないらしいし、歌詞も曲も、自分達で作ったものではないらしいんですが、何というか、お仕着せ感は皆無、自主独立自発的ムード満点!? その衒いのない明るく元気な歌声&アフリカン・ロックなバンドの勢いに乗せられてしまうのはわたしだけではないハズです!?
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「アフリカの女性は、自立しなければならない」と高らかに歌うベニンの少女達のバンド、スター・フェミニン・バンドのファースト・アルバム。
ナイジェリアの隣に位置するベナンで、ラジオ局が企画した子供達のミュージシャン養成プログラムに参加した10歳から17歳の女の子ばかり7人で結成されたグループだそうです。ルンバ・コンゴレーズやハイライフなど隣国発の代表的なアフリカ音がKのスタイルを中心に、ファンクなど現代的な要素も入れ込んだ、高い音楽性をきっちりと、余裕を持って聞かせてくれるのに、まず驚かされます。その上を逆にまだ幼いとも言える声で清々しく歌っていきます。その対比も面白いのですが、男女格差などの社会問題も歌い込まれていると考えると、なかなか一筋縄ではいかないグループということも出来ます。ただ、聞いていて堅苦しいところなど一切無く、そのグルーヴ感が気持ちよく楽しめます。(サプライヤーインフォより)
1. Peba 03:48
2. Rew be me 03:21
3. Femme africaine 03:44
4. Montealla 03:24
5. La musique 04:39
6. Idesouse 05:08
7. Iseo 03:06
8. Timtitu 04:02
以下、当方 NHK-AM の少コーナーで本盤を紹介させていただいた時の台本元原稿です。ご参考になれば…
ベナンは西にトーゴ、北西にブルキナファソ、北東にニジェール、東はナイジェリアと接し、南はギニア湾に面した西アフリカの国です。
人口は1087万、公用語はフランス語です。
首都はポルトノボですが、実際、首都機能を果たしているのは最大都市であるコトヌーです。
おもな産業は国民の大半の人は従事している農業で、綿花やトウモロコシなどを栽培しています。
『目指すは世界の大スター、ベナンの少女バンドのデビュー作』
というわけで、ベナン北西部の、人口約10万人の都市、ナティティングーから登場した10歳から17歳の少女達7人から成るバンド、スター・フェミニン・バンドを聴いていただこうと思います。
女性らしいスター・バンドというグループ名からしてやる気満々ですが、それにしても17歳はともかく、10歳の女の子といえば、まだ小学校4年生ですよね。
まず、1曲聴いていただきましょう。
アーティストはスター・フェミニン・バンド
曲名は「ファム・アフリケーヌ」
どうですか、確かに子供達の実に女の子らしい歌声でした。
ただし、歌だけでなく、それぞれギター、キーボード、ベース、そしてドラムスに加え、アフリカの打楽器、それぞれ7人で演奏を全部演じているそうです。
ドラムスとベナンの太鼓が叩き出すリズムが、元気のある少女コーラスの歌声に、アフリカ音楽らしい躍動感をそえていました。
実は、彼女たち、つい2年前まで、楽器を触ったこともない普通の女の子だったそう。
地元FM局の主催で行われたオーディションで選ばれた7人だそうです。
それは、大都市コトヌーで長らくギタリスト、そしてトランペッターとして様々な歌手のバックをつとめて来た来たミュージシャン、アンドレ・バラグモンが、このナティティングーの自治体の援助を得て、ナティティングーから将来のアフリカのスターを生み出そう、というオーディションだったそうです。
そこで選ばれた、それまで楽器を手にしたこともなかったという7人、その後2年間、アンドレ・バラグモン先生の元で、楽器の演奏を習い、このデビュー作の発表にこぎつけたということです。
彼女達の目標は、以前、このコーナーでもご紹介しましたが、現ユネスコ大使でもあり、グラミー賞に4度ノミネート、英国の新聞、ガーディアンの「世界で最も啓発的な女性トップ100」にも選ばれた、ベナン出身の女性歌手、アンジェリック・キジョーだそうです。
というわけで、可愛らしくも、気合の入ったフランス語による「ファム・アフリケーヌ」という曲、こんなことを彼女達は歌っていました。
〜女、アフリカの女 、ベナンの黒人女よ、立ち上がれ、眠ってるんじゃない、黒人女、立ち上がれ、眠ってはいけない、おまえは大統領にだってなれるんだ、行動を起こせ!アフリカ女よ、自立しよう!学校に行こう!アフリカはおまえを必要としている、勉強しよう、世界が私たちを必要としている、立ち上がり、身を守ろうアフリカ女よ、自立せよ!
と、実はこの曲、彼女達を2年間指導したアンドレ先生が作った曲だそうですが、今のところ、しょうがないですよね。
それでは、もう1曲紹介します。
スター・フェミニン・バンドによる、曲は「ラ・ムジーク」
これまたハジけた曲です。
元気とリズムと、歌声を、青空に向かって振りまいているような曲でした。
お揃いの鮮やかなベナンの生地のワンピースを着て、まっ白な歯を見せ、笑顔で歌う彼女達のヴィデオはインターネットでも見ることができますが、音楽を聴いているだけでも十分、ベナンの伝統的なリズム感とメロディーを、ロック・バンドの編成で鮮やかに演じていました。
学校に行きながら、週3回、毎日夕方の4時から7時まで、夏休みの時は週に5回、朝9時から夕方5時まで、2年間の練習の成果が実った演奏ということになるでしょうけど、なんというか、さすがアフリカの女の子たち、大人はだしの曲だったと思います。
一応メンバーを紹介しておくと、
ギターのアンヌ、 ベースはジュリエンヌ、ヴォーカルとキーボードのグレイス 、パーカッションとドラムス、そしてヴォーカルのユリス、ドラムスとヴォーカルでアンジェリック(彼女が最年少、この録音の時は7歳でした)、もうひとりのキーボード、サンドリーヌ、そしてドラムスのマルグリットというメンバーです。
この「ラ・ムジーク」つまり、「ザ・音楽」というそのものズバリの曲で、彼女達はこんなフレーズを繰り返しコーラスで歌っていました。
〜音楽もまた仕事、わたしたちは音楽を作り、音楽はわたし達のビジネスになる…、
なんて、もちろん、プロの音楽家にとって音楽はビジネスでもあるんですが、ベナンの地方都市に生まれ、様々な伝統的な風習や決まりごとの中、結婚相手も自分で選べないことが多いという社会で、未だ少女時代にある女の子たちが、堂々と、わたし達の音楽はビジネス、と、身も蓋もなく歌っていること、結局、少女達に音楽を教え込み、金儲けのネタにしようとしているなどと、現地でも非難する向きもあったようですが、それはともかく、う〜ん、たくましいなあと、感心してしまいました。
彼女達の音楽は、たまたま人道NPO活動に参加し、原地を訪れていたフランス人の音楽関係者の目に止まり、これは素晴らしい!ということで、フランスのレコード・レーベルに紹介され、レーベルのスタッフ達がベナンに録音機材を持ち込みレコーディングを完成、そして、フランス盤のCDとして去年の末に発表されました。
おかげで、私達もこの音楽を聴くことができたわけです。
OK、ビジネス自立、頑張れ〜!と応援したいと思います。