SEIN MOOT TAR / AUSPICIOUS AND CEREMONIAL MYANMAR ORCHESTRA TUNES

CDタイトルは “စိန္မြတၱား-ေရခင္းတီးလံုးမ်ား အမွတ္” …って、何が何だか、残念ながら、せっかく itunes でアルバム・タイトルが出てきても、まったくわからないのですが、youtubeリンクの英訳表記を信用するなら、“AUSPICIOUS AND CEREMONIAL MYANMAR ORCHESTRA TUNES” ということで、和訳すると『縁起の良いミャンマーオーケストラによるセレモニー曲』というような表題じゃないかと思います。
もう、4〜5年も前になるでしょうか? このセイン・ムーター師のyoutubeリンク曲 “Ya Ta Nar Pone” を発見して、度肝を抜かれたのはよ〜く憶えています。 ホント、夢に聴くほどこの曲が収録されたCDが欲しいと長らく思っていましたが(もちろん同時に、売りたい!と思ったことも言わずもがな>☆)。が、ミャンマー現地買い付けしていただいている有志の皆さんにお願いしても、ヤンゴンでは見つからなかったようで、CDリリースはないのかなあ、と、諦めかけていたところ、待てば海路の日和ありということでしょう…過日、マンダレーに旅した当店のお客さま女子、S子ちゃんが、さりげなく買って来てくれたのでした(感謝!というわけで、ムーター師はマンダレー在住の人だそうです)。スワッ!と今度は心斎橋○さんがミャンマーへ行くということでお願いしたら、流石です、こうしてお売りできる状況が整ったわけですね!まったく、皆さんのおかげです。
それにしても、このサインワイン演奏、いったい何なんでしょうね?わからんですねえ、ホント、低音ゴングの寄せては返す反復の中、ダブルリードのチャルメラ風管楽器 “フネー” はまるでドン・チェリーみたいだし、木琴“パッタラー”や真鍮ゴング群の“チェイナウン”の超絶アドリブに負けじと、円環状に並んだ高低旋律太鼓“パッ・ワイン”を叩きまくるセイン・ムーター師(掌が4つはありそう?)、そこに小シンバルやトライアングルのような細やかな響きも一体となって、ゆったりとしていながら放流のように迫って来るその音楽は、実にダイナミックにして繊細、奔放にして流麗と聞こえます。
ところで、聞くところによれば、7音音階を持つタイの古典音楽と5音音階の中国古典音楽がミックスしたような、とても微妙な音階を持つミャンマーの伝統音楽の世界には、楽譜というものはないそうです。加えて “伴奏” という考え方もないそうですから、器楽奏者たちそれぞれが基本的には対等な関係?極端な話、歌い手も(このCDはインストですが)器楽奏者も、おのおの互いの音に感応しつつ一つの音楽を紡ぎあって行くような仕組みになっているんでしょうね…。しかも、ハーモニーという概念はナイそうですから(ユニゾンで主題を合奏することはあっても)、あとは互いの即興と解釈に任される部分が多い、ということも想像できます。う〜ん、なるほど、それでフリー・ジャズに聞こえるのか!と、そーゆー結論はいささか安易かも知れませんが、とりあえず、このサインワインの魅力を考える時、そうしたことは一つのヒントになるかも知れません。
にしても、こんなセレモニー・ミュージック〜冠婚葬祭音楽が存在するなんて、ミャンマーの人たちの音楽IQの高さ、そーとーなものですね、きっと。

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