メキシコの女性歌手(SSW)ナタリア・ラフォルカデの新譜ですね。タイトルは『メキシコのための歌』と直訳できますが、前作&前々作の“ムサス” Vol.1&2 に続いて、すべて生音仕様、カンシオン・ランチェーラ、マリアッチ、ノルテーニョ、ソン・ハローチョなど、往年の名曲に加えて自作曲を交え、 まさにメキシコに捧げる歌心?を聞かせる 36 歳の作品なのでした。若い頃は(03年19歳でデビュー)、ビュークやジャミロクワイが大好き!なんて言ってたのに、人間、わからないもんですなあ…。
けれども、独特にロリ系ビョークっぽい歌い口?は、消えそうで消えず、そりゃあ、50年代のシティのナイトクラブで唄っていたあの人や、あの人や、あの人のような歌い口とはやっぱり違うわけですが…、それはそれ、昔と同じなら昔のプロダクションの中に響く歌を聴いた方がイイに決まってますから、今の歌い手を聴く必要はないわけですね。
が、ウルグアイのホルヘ・ドレクスレルとか、メキシコの SSW、レオネル・ガルシア(>★コレがなかなか入荷しない…)とかと歌っている奥行きあるPOPさがにじむデュオ曲から、伝統歌謡再興グループ、ロス・コホリーテスと演じるフォークロアな味わいの曲群までの振り幅を、自由に行き来する面白さ、あるいは、メキシコの国民的作曲家アグスティン・ララの妹、作曲家にして女優でもあったマリア・テレサ・ララ(1909−84)の名曲 “ベラクルス” で聞かせる、戦前カンシオンの面影につながるかも知れない非ナイトクラブ系の歌い口の瑞々しさ…、そして、囁くような歌い口から始まる大スタンダード曲 “ククルクク・パローマ” において、定型の大仰さを拒否しつつも情感の高まりを素直に歌って聞かせる自然さ、これはこれで十分に魅力的に聞こえます。
古い伴奏スタイルを再現しながらも手の込んだ新味をまぶしつつ、ま、至極あたりまえのことですけど、メキシコ歌謡黄金時代の女性歌手達とは異なる魅力を聞かせるナタリア嬢のメキシコ歌謡新作、ということで。
1 El Balajú / Serenata Huasteca 4:31
Composer – Andrés Huesca, José Alfredo Jiménez
feat. Los Cojolites
2 Mexicana Hermosa 4:14
Composer – Gustavo Guerrero, Natalia Lafourcade
feat. Carlos Rivera
3 Veracruz 4:05
Composer – María Teresa Lara Aguirre
4 Una Vida 4:24
Composer – Kiko Campos, Natalia Lafourcade
5 Hasta La Raíz 4:34
Composer – Leonel García, Natalia Lafourcade
feat. Los Auténticos Decadentes, Los Cojolites
6 Ya No Vivo Por Vivir 6:12
Composer – Alberto Aguilera Valadez
feat. Leonel García
7 Mi Religión 3:38
Composer – Natalia Lafourcade
8 Para Qué Sufrir 3:48
Composer – Juan Manuel Torre Blanca, Natalia Lafourcade
feat. Jorge Drexler
9 Nunca Es Suficiente 4:23
Composer – María Daniela Azpiazu, Natalia Lafourcade
10 Sembrando Flores 4:48
Composer – Noel González (2)
feat. Los Cojolites
11 Lo Que Construimos 4:08
Composer – Natalia Lafourcade
feat. Meme
12 Un Derecho De Nacimiento 5:23
Composer – Dr. Shenka, Paul Lafourcade
feat. Panteón Rococó
13 Mi Tierra Veracruzana 4:14
Composer – Natalia Lafourcade
feat. Los Cojolites
14 Cucurrucucú Paloma (Bonus Track) 5:11
Composer – Tomás Méndez Sosa