●スペイン地中海岸のマジョルカ島に生まれた女性歌手、マリア・デル・マール・ボネットの新作は、長い音楽活動の中で取り上げてきた詩人バルトメウ・ロセリョ・ポルセルの作品を全編で歌うものです。
●マリア・デル・マールと同郷、マジョルカ島出身のバルトメウ・ロセリョ・ポルセルはその豊かな才能を開花させた直後、1938年に24歳の若さで夭折しました。時は市民戦争の最中、結核による病死でしたが、未来を嘱望された詩人の死は多くの人々に悲しみを与えました。
●詩人が亡くなったとき、もちろんマリア・デル・マールは生まれていませんでしたが、ジャーナリストの父を持ちアカデミックな家庭環境の中、彼の詩に強く惹かれ、いつか彼の詩に曲をつけたいと思いました。
●シンガー・ソングライターとして活動を始め、まず2作目の「マリア・デル・マール・ボネット」(1971)で2曲、そして、彼女のキャリアの大きな転機となったジョアン・ミロの絵がジャケットの3作目で3曲取り上げました。バルトメウの詩を愛したミロは、彼女が彼の詩を歌うならジャケットを描くと約束し、美しい絵が完成しました。本作も改めてその絵をジャケットに採用しています。マリア・デル・マールは、世界的に成功を収めたアルバム「ライシャ」(2001)でも新たにバルトメウの詩のために2曲作曲し、今回本作の為に3曲が新しく録音されました。旧作7曲すべてはリマスタリングされ、新作3曲と共に本作にすべて収録されています。
●1970年からずっと、バルトメウ・ロセリョ・ポルセルに曲を捧げたいと思い続けてきたマリア・デル・マール・ボネットの祈りにも似た気持ちが実現された、パーソナルでいながら普遍的な美しさに満ちたアルバムです。
●初期の録音は、若々しさと同時にメランコリックさも内在し、時にフォーキーに時に深い感情を示すS.S.W.としての原点が垣間見られる録音です。また2000年以降の録音は、成熟した女性の優しさを感じさせてくれる歌唱が印象的です。
●今回、国内盤化にあたり歌詞の完全対訳を添付。詩人バルトメウ・ロセリョ・ポルセルの世界感をじっくり味わっていただけます。
(以上、メーカーインフォより)