ローマ1979年生まれ、22歳で音楽活動をスタート、シアトリカルな音楽パフォーマンスを続けて来たそうですが、30歳でCDデビュー、ノスタルジックかつ演劇的な歌世界を繰り広げるシンガー・ソングライターのフォースアルバム、2014年作となります。その嗄れたボソボソと囁くような歌い口、結構オーソドックスというか、酔いどれ詩人の類型というか…、そんな歌い口の中にも緩急強弱の差が激しくなっている本作、3作目までは、イタリア語がわからないリスナーには歌いかけていなかったような気もしますが、が、この4作目では、ややサウンド重視、バルセロナあたりの感覚に近いミクスチュアー・スタイルの様相も呈し、加えて、演劇性や物語性もより色濃くなり、リスナーの幅を広げることを意識しているようにも…。で、タイトルは『山麓』〜どんな意味なんでしょうか?裏ジャケを見てみると、星空の下に続く山麓のまた先に大都市の灯がまたたいていて、たぶんローマ?ま、そういうことはともかく、古からのカンタトゥーレの系譜を引き受けながらも、どこかトータル・アルバムとして、新たな場所へ足を伸ばそうとしているように感じられる4作目です。