LUCAS SANTTANA / O PARAISO

アルバム・タイトルは “パライソ”、つまり楽園、なるほど、多幸感につながる曲が並んだルーカス・サンタナの新作です。
…けれども、ここにに辿り着くまでには「天然資源の採掘に基づく経済モデルの確立によって、現在の世界が抱えた負の要因を凌駕すること」「わたしたちが自然に囲まれた美しい場所へ行く度に、直感的に感じるもの」を信じること…そして、「ダーウィンより、リン・マルグリスを」といった考え方を経て本作に至った、というようなことが、No Format のレーベル・インフォに書いてありました。
まあ、難しくて、うまく、理解できませんでしたが、これ以上、地球上に本然的に存在しているはずの “楽園” を汚してくれるな、ということなんでしょうか?

同じく、ルーカス・サンタナの仏 No Format レーベルからの前19年作は、アート・リンゼイ&ホルヘ・ドルクスレルが曲作りで参加していて、同じくギター弾き語りを基本とながらも、決して本作のような “楽園” を感じさせる作ではなく、どちらかと言えば、ま、こんな世界だけど、いつかシアワセはあるかも? みたいなモノローグっぽい曲、あるいは、銃声や抗議の叫びなんかが聞こえる曲もあったりして、少しばかり、シリアスなムードも漂よっていたような気がします。
けれども、この新作、何をか考え直して辿り着いた境地なんでしょう、全体、リラックスして、身体性に即したノリが感じられ、エレクトロな音感を取り入れながらも、それが効果音にはなっていなくて、音楽の流れに沿って自然。この人、本来の魅力が感じられる作だと思います。トロピカリズモの余韻も少なからず感じさせます。
バイーアはサルヴァドール生まれ、99年にアルバム・デビューのルーカス・サンタナの10作目です。

1. O Paraíso
2. What’s Life
3. Vamos Ficar Na Terra
4. Errare Humanum Est
5. La Biosphère
6. Muita Pose, Pouca Yoga ft. Flavia Coelho
7. No Interior de Tudo
8. The Fool on the Hill ft. Flore Benguigui
9. A Transmissão
10. Sobre la Mémoria

– all songs written and composed by Lucas Santtana
▽ expect
2 Lucas Santtaa / Lynn Margulis
4 Jorge Ben
6 Lucas Santtaa / Daniel Lisboa
7 John Lennon / Paul Mccartney

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