LITTLE JOHNNY RIVERO & ANTHONY ALMONTE / MEJOR QUE NUNCA

ジャケが、もうイイですよね…、どこなんだか(ニュージャージーあたりでしょうか?)、窓からは午後の陽が射す清潔なダイナーのボックス席で、食後のビール&笑顔を交わす新旧ふたりのサルセーロ、もう、このジャケで内容は保証されたようなものです!?CDの裏を返せば、チェックの入ったテーブル注文票よろしく、ボールペン手書きの曲目が並んでいます。
その昔、いっとき定番だった、水着やドレスの女たちをはべらせた、あのサルサ・ジャケは一体何だったんでしょうねえ?実に薄っぺらい感じがしたものですが…、サルサと知って、この男ふたりの笑顔を見せられたら、もう聞かずには済まされないような気がしますが、いかがなものでしょう?

プエルトリカン・サルサ名門、ソノーラ・ポンセ―ニャで永らく活躍、そして近年はエディ・パルミエリ楽団に在籍して来たコンゲーロ&マルチな打楽器奏者、リトル・ジョニー・リベーロのソロ4作目となる新作は、前2020年作おいて、初めて招いた歌手でコンゲーロの若手、アンソニー・アルモンテとの共同名義アルバムとなりました。
そして、ティンバレスにルイシート・キンテーロ、ピアノ&アレンジャーにベネズエラ出身のロナルド・キロス・モンテーロという、要となるところは、MM誌2020年ベスト・アルバム / ラテン部門ランクインとなった>前2021年と同じ陣容ですね。
ほか、ちょっとビックリしたのは、ブラジリアン・パーカッションということで、>こちら、オランダからの新鋭、スティーヴン・ブラゼットも参加しています。が、ブラゼットのデビュー・アルバムにはジョニー・リベーロもルイシート・キンテーロも参加していましたからね、ま、ビックリすることもないんですけど。
ともあれ、コンゲーロふたりの双頭アルバムです。とにかくパーカッシヴです。曲によってはデスカルガとかラテン・ジャズなみにリズムが立っています。中には、非チャランガ、ゴージャズなストリングスの効いた優雅なサルサや、聴きようによっては、ロマンチックなサルサもありますが、コンゲーロでありながら、歌い手であるアンソニー・アルモンテの歌い口、実にオーソドックスというべきでしょう。基本、メロディーに流されることなく、サルサならではのポリリズムに寄り沿いつつホーンズに呼応、サボールのこもった節まわしをしっかりと積み上げて行くタイプ。実に気持ちイイですね。
そして、中でも異色曲と言っていいでしょう、終わり近くのヒュー・マセケラ “グレイジング・イン・ザ・グラス”の長尺ラテン調カヴァー!もともとブーガルーやラテン・ソウル・マニアだった自分のような者にとって、これは嬉しいプレゼント?アルモンテのジャジーなスキャットもOKです。というわけで、盤石+優雅+アルファ、通して聴いて飽かせない、イイ作となりました。

1.La Psicología
2.No Es Suficiente
3.Mejor Que Nunca
4.Ven Timbero
5.Aquella Tarde
6.Lady Casanova
7.Pena Dá
8.Pa’ La Feria De Cali
9.Siempre Igual
10.Poquito A Poco
11.Grazing In The Grass
12.Aquella Tarde (Radio Version)

Little Johnny Rivero – Tumbadoras, Quinto, Bongo, Cajon, Bata, Guiro y Clave
Anthony Almonte – Vocales, Coros, Conga solo
Ronald Roy Quiroz Montero – Piano, Arranger
Luques Curtis – Bajo,
Luisito Quintero – Timbales
Jan Duclerc – Trompeta
Jose Leon – Trombon
Luchito Cabrcas, Keo Gruber, Brian Collazo – Coros
Eduardo Sanchez – Trompeta
Manolo Vega – Saxofon, Arranger
Steven Brezet !! – Percusion Brasilera
Angel Delgado, Maria Jose Chacon – Violon
Jean William Fuenmayor -Viola, Arrenger
Obadis Guella – Cello
Eric Figieroa – Piano Electrico, Arrenger

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