LEON SAINTE-ROSE / cante LA MARTINIQUE

リオン・サント=ローズ、1934年生まれ、島の太鼓を叩き、ビギンを歌い、バンブー・フルートを吹くマルチニックの詩人。
1959年のフォール・ドゥ・フランス暴動に参加し投獄され、その後もマルチニック独立の理想を捨てず活動を続け、みたび投獄され教師の職を追われてからは、田舎に住まい庭を耕作する生活の中で、音楽家として生きて来た人です(2020年現在86歳)。
そんなリオン・サント=ローズの Debs 制作、1970年のファースト・アルバムの復刻CDがこちら。友人マックス・ランセイ(1942-2003)がヴォーカル(&タンブール)で参加、名手トゥレンヌ・ルッシがソプラノ・サックス、グァドループのアンリ・デブスが5曲でピアノを弾き、残り5曲のピアノをマルチニックのユーゲ・アレクシ、ほかドナデュ・モンピエールのベース、ミゲール・ララのドラムスというシンプルな編成で、タイトル通りに、リオン・サント=ローズがマルティニックを歌い上げたビギン系アルバムです。
2019年、85歳になったリオン・サント=ローズはインタビューに応え次のようなことを言っています(意訳)。「自分は理想を裏切ることはなかったが、幻滅を見続けて来た。マルティニックの人々は消費の中に閉じ込められ、大切なものを見失い、それを失ったことにも気づこうとしない」う〜ん、そういうこともあるんでしょうね、たぶん。が、音楽は音楽、歌は歌ですから、そうした理想や幻滅を越えて、高らかに響く50年前の録音なのでした…。

▽オリジナル・ジャケ!
1 Amelia
2 Femm’Tomber
3 Anastasie
4 La Pli Tomber
5 Valse De St Pierre
6 A La Zazou
7 L’homme Sans Tête
8 Lévé Yo Lévé Yo Ka
9 L’échelle Poule
10 La Montagne Poule

*非シールド品

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