KARYNA GOMEZ / N’NA

ギネア=ビサウ人の父とカーボ・ヴェルデ出身の母のもと、1976 年にビサウで生まれたカリナ・ゴメス、国際報道やユニセフの仕事を経て、ビサウの名門バンド、スーパー・ママ・ジョンボに招かれ歌手をつとめたキャリアの持ち主だそうです。その後、一時的にポルトガルへ移り住み制作した、2014年のデビュー・アルバムが>こちらの “MINDJER”(無断リンク陳謝&感謝!)とのこと。
その初作、残念ながら当店には未入荷なんですが(既に海外では中古盤プレミア価格)…、グンベーはじめ、ギネア=ビサウならではのリズム感をベースにしつつ、広くルゾフォニアならではの旋律や雰囲気も感じさせるそのシットリと落ちついた歌声が、柔らかなアコースティック・アレンジの中、みずみずしい表情で立ち上がり、デビュー・アルバムとして実に得難い作だったことは、bunboniさんのご紹介とあわせ>こちら youtubeでお聴ききいただければ、納得していただけるかと思います。

デビュー後は、カボ・ヴェルデはじめアフリカ各地や、欧州各国も巡るツアー活動と並行しながら、女性のための、女性だけによる市民活動組織をギネア=ビサウの地で共同設立するなど、地道な活動を続けて来たそうで、まったく、その屈託のない笑顔、まるで少女のように映るのに、しっかりとしたヴィジョンを持った女性なんでしょうね、きっと。そして2年前、45歳にしてリリースした7年ぶりの本CDセカンド・アルバムが、やっとのこと初入荷して来ました。既に>こちらで紹介されていますので(無断リンク陳謝&感謝 again!)、参考にさせていただいき、お楽しみいただけたら幸甚。

ギネア=ビサウのリズム感、そしてアコーディオンと生ギターに、多重録音コーラスを配した前作とは変わって、本作ではアフロビーツも流用しながらも、7年の月日を経ても変わらないその発声、一呼吸おいて歌い出すようなその歌、ことさらリズムに密着してノリを生もうというのではなく、アフロビーツをウネル波に見立てサーフしていくような、なんだか、オンショアを受け流し波頭を滑っていくような歌声、とでもいいますか? やっぱり、ズークやキゾンバにも通じる、グルーヴをいなして歌うクールな歌謡性を感じさせもして、そんな伏線の延長に、ひょうたん水大鼓の深みある打音の中、唐突に歌い込まれるスタンダード「サマー・タイム」英語ソングが聞こえて来ても、それほど違和を感じなかった、ということはあります。かと思えば、ビートに密着し、タタミかけるように歌うダンス・ナンバーもあったり…。
ともあれ、シットリとした落ち着きを失わないポルトガル語の発声に準じたその歌声、意匠は変われど、初作とのつながりの中で楽しめる2作目であることは確か、
これみよがしなところのない、屈託のない笑顔のイイ歌い手です、ホント。

1  Kaminhu di Terra
2  Speransa
3 Fresku
4 Gustu di Mel
5 Yahweh
6 N’na
7 Summer Time
8 Pega Tessu
9 Dissa
10 Sodadi

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