★ジョエール・ナシメント『生誕80年~サウンド、スタイル、そして即興演奏』
生誕80年を迎えたバンドリン奏者の音楽人生をコンパイル!
ジャズよりも古い歴史を持ち、ブラジル音楽の屋台骨として親しまれたきた音楽がショーロ。そのシーンにおいて現在最高峰のバンドリン(ブラジル式のマンドリン)奏者として知られているのが、こちらのジョエール・ナシメントです。そのジョエールは今年でちょうど生誕80年を迎えました。そんなジョエールのアニヴァーサリー・イヤーを記念して作られたのが、彼のこれまでの音楽人生を総括する内容のこのアルバム。プロデュースは彼とは長年近しい関係にあるカヴァキーニョ奏者、エンリッキ・カゼスです。
ジョエール・ナシメントは1937年9月13日、リオ・デ・ジャネイロで生まれました。長年ペーニャという下町の地区を拠点に演奏してきた、いわば“街のショーロ音楽家”の代表格として活動していた彼が、特に若いショーロ音楽家たちの間で評判になったのは、70年代のことでした。その後オデオンからソロ・アルバムを発表する一方、彼を慕う若い音楽家らと共に“カメラータ・カリオカ”というグループを結成し、ショーロ・シーンに大きな衝撃を与えました。その後80年代後半には、ショーロの入門作品として日本でも大きな話題となったライヴ・アルバム『ショーロの夕べ』(KPR-910)に参加する一方で、彼がバンドリンを弾き始めてからずっと親しんできた先輩バンドリン奏者ジャコー・ド・バンドリンをテーマにしたアルバムを発表するなど、マイペースながら音楽活動をずっと続けてきました。
そして本作ではジャコー・ド・バンドリンの「ココのお菓子(Doce de coco)」を自宅で録音したという70年代の貴重録音からスタートし、ラダメース・ニャターリやセバスチアン・タパジョスとの共演、さらに現在若手ナンバーワンのバンドリン奏者アミルトン・ジ・オランダとの新旧の名手同士のデュエット作や、このアルバムのために録られた2017年最新録音まで、ジョエールのこれまでのショーロ音楽家としての歩みが時系列で並べられています。さらにブックレットには彼の子供の頃から現在にいたるまでの貴重な写真もふんだんに掲載されているなど、まさに音と本で綴るジョエールの“音楽人生”そのものと言えるでしょう。
秋の夜長にもっともフィットする音楽ショーロの久々の注目作です。 (メーカーインフォより)
1. Doce de coco
2. Estudando e compondo em casa
3. Apelo
4. Glória
5. Concerto Grosso opus 3 nº 11 em Ré menor
6. Evocação de Jacob
7. Concerto para Bandolim e Cordas 3º movimento
8. Yara
9. Devagar e sempre
10. Ruth
11. Canção à Villa-Lobos
12. Lamentos
13. Retratos IV – Chiquinha Gonzaga
14. Tu passaste por esse jardim
15. Gotas de ouro