フルカール・アブドゥラエーヴァ嬢、民謡の宝庫とされるホラズム州出身の若手女性歌手だそうです。ホラズムというところがどういうところかは知りませんが、古代からイラン系、アラブ系、モンゴル系、スラブ系とさまざまな支配層の変遷を経た肥沃なデルタ地帯ということで、ウズベキスタンの中でも古くからの混血文化が育まれている雰囲気は伝わります。このフルカール嬢、自然な伸び上がるような若々しい歌がいいですねえ。トルコからイラン、黒海からカスピ海周辺に到る地域のPOPにも似た2拍子、もしくは3拍子の感覚を備えた緩急ハチロク系打ち込み曲が、ウズベクの弦楽器ルバーブやドタール、フレーム・ドラムのドイラ等も加わったリズミカルな伴奏において並ぶ中、喉を開いた発声で音域広く自在な歌声を聞かせてくれます。ギターやエレキ・サズ、キーボード、ズルナ(スルナイ)風の管の音色も多用され、曲ごとの多彩さも演出されています。アラブPOPほど洗練されてはいませんが、その分、リズミカルにフォークロアな躍動感が伝わる演奏と言えるかも知れません。そして、とにかく、その歌、アラブともトルコともイランとも違う、やっぱりウズベキスタンらしいとしか言いようのない歌、よりアジアに親しい感覚が若々しく瑞々しい歌い口で楽しめますね。(プレイヤーとの相性でしょうか?それとも、粗製盤の寿命でしょうか?最後までかからななかったというご報告が幾つかありましたので、当方でコピーしましたCDRをお付けして販売致します。よろしく、どうぞ。)