「シャンソンを移民の視点から捉え、シャアビの粋を示した大傑作」by 深沢センセーということで、2014年の名盤〜今や既に入手困難のハズですが、まだ少し、当店は在庫していますよー!ハハハッ…
砂漠状態のモンマルトル?からラクダに乗ってパリを見下ろすなんて、なんて気の利いたジャケ!在仏マグレブ左派ミクスチュアー系ユニット>サルタンバンクを率いて来たHK(アッシュカー ex MAP)の傑作、鳴り物入り充実ソロ・プロジェクトでした(ゼブダの諸作をマジット・シルフィのソロが凌駕するように、HKのソロもサルタンバンクの2作を凌駕?)!
〜なんてったって、冒頭ジャック・ブレルの “Vesoul(おまえの言いなり)” シャアビ仕様カヴァーにノックアウトされること間違いナシ!パリに生まれ育ったアルジェリア / カビール系移民二世(だか、三世だか)の歌い手としてのスタンス&アイデンティティのあり方を、手っ取り早く明快に表明すべく、おしなべて、いろいろな意味、解釈において社会的なマイノリティーへの共感を誘うようなテーマを扱ったシャンソンの名曲& e.t.c.カヴァー を、アルジェリアン・シャアビ仕様で演じたアルバムとなっています。
〜エディット・ピアフの “Sous le ciel de Paris (パリの空の下)” & “Padam padam”やジョルジュ・ブラッサンス”Les passantes”、ボリス・ヴィアンの “Le Déserteur(脱走)”(=表題曲)、クロード・ヌガロの “Toulouse” 、あるいは、南仏オクシタニアのディープSOUTHデュオ、ファビュルス・トロバドールの “Demain demain”や、ルイジアナDEEPケイジャンのアコーディオン&フィドル弾き語り男性SSW、ザッカリー・リチャードの “TRAVAILLER C’EST TROP DUR ” (懐かし!)などなど…、いや〜痛快にして明快、やりたいことがダイレクトに伝わって来るアルバムですよね、
それでもってバックを固めるシャアビなミュージシャン達のメンツがまたスゴイ!〜Amar Chaoui (パーカション Gnawa Diffusion) 、P’tit Moh (マンドーラGnawa Diffusion) 、Rabah Khelfa (ダルブッカ Souad Massi band) 、Hacène Khelifa (ヴァイオリン MAP) 、Meddhi Ziouche (マンドーラ / クラビア HK & Les Saltimbanks) 、Meddhi Dalil (ベース Takfarinas band) ほか、〜ということで、HKの音楽的人望を納得させるに足るゴージャスな面子がここに集っているわけです。
シャンソンをおフランス語で歌っても気分&心情&主張はブール!シャアビならではのコクのあるコブシまわしを軽快洒脱に聞かせるHK、在仏アルジェリアンの新世代を代表する才気&実力を露わにした作かと。