上の写真、そしてこのページの一番下にある写真は、ハー・ヴァンその人とご懇意にされている立命館アジア太平洋大学の田原洋樹先生経由でハー・ヴァンから送られて来たPR用ポートレイト写真です(ファンの皆さんへのプレゼント!?)。
そして以下、歌手の道に進むのを特に反対していたというハー・ヴァンのご尊父に、田原洋樹先生がお会いになった時の談話より、貴重なお話なので、みなさんにもご紹介させていただきましょう。
「娘は中学生の時に県の歌唱コンテストで優勝した。とにかく子供のころから歌うのが大好きだった。我が家は北部出身で、家族で会話する時は北部方言だし、ご近所さんもみんな北部方言なのに、なぜか南部の民謡がとても上手だった(ハー・ヴァンの家族はベトナム北部タインホアからの移住者であり、近隣に北部からの移住者が多く住む地域に住んでいたそう)。」
「歌手になりたいといった時、厳しい道だし、安定した将来は無いだろうから、教師の道を進めた。師範大学を出て、教師をやっていたが、どうしても諦めきれなかったようで、週末になるとサイゴンまで片道約170キロをバイクで通って(ハー・ヴァンは、サイゴンの東隣ドンナイ省の山間部で中学校の教師を5年勤めていたそう)、歌番組や歌謡コンテストに出演していた。」
「ついに、“どうしても歌手になりたい” と教師を辞めて、サイゴンに出ていった。サイゴンで音楽を学び、初めはライブハウスを歌い歩く生活で、男親としては心配だった。が、本人の意志が固かったこと、才能を認めてくださる人が多かったことで、成功への道筋がついた。」
〜田原先生が「自分の愛娘が人気歌手として成功している感想はいかがですか」と尋ねると、「娘が成功しているのは本当にうれしい」と。
ちなみに以下は、本CDをリリースしているAudio Space のゴック・ティエン社長談とのこと〜
「まずはハー・ヴァン自身が困難に耐えて、必死に頑張ったこと。次に、音楽仲間やたくさんのファンに恵まれて、支えてもらえたこと。これが成功の秘訣だと思う。」
というわけで、南のボレロ(戦前サイゴン大衆歌謡)復古ブームの波にも乗り、すっかり人気歌手となったハー・ヴァンの記念すべきファーストCD> “TIENG HAT” の続編 、シリーズ第2弾 2017年6月リリースCD が、やっと当店にも入荷してまいりました!
変わらず溶け入りそうなたおやかさ、柔らかさを聞かせるハー・ヴァンの素晴らしい歌声が、南ベトナムの人情や風土が生み出しただろう節まわしを辿りつつ、凝りすぎず、作り過ぎず、自然な懐かしさを誘う金管やギター、ラテンリズムも入った生音演奏に包まれて、正にアジアにしかありえない、慈愛あふれる “女性歌謡” を達成しています。素晴らしい、と繰り返し言うしかありません。
幼い頃からの歌手になりたい、という一途な想い、週末ごとに20代のうら若き独身女性が、ただ歌いたいがために一人、往復 340 キロをバイクで行き来したその日々、そんな日々の想い、願いがここで聴ける歌に直結しているんですね。なんだか、本当にうれしいと、ついつい、ご尊父の気持ちを共有しながら聴いてしまう本CDでした。
1. Nắng Chiều
2. Hoa Nở Về Đêm
3. Nỗi Buồn Gác Trọ
4. Vùng Lá Me Bay
5. Hai Vì Sao Lạc
6. Phận Tơ Tằm
7. Xóm Đêm
8. Sao Anh Nỡ Đành Quên
9. Sương Lạnh Chiều Đông
10. Biển Tình
11. Qua Cơn Mê