ジェラール・ラ・ヴィニィ(1933-2009)グァドループで裕福な家庭に生まれたそう。父はピアノをたしなみ、母はプエルトリコ出身の音楽好きで、いつもハミングを口ずさんでいたということです。そんな環境の中で、バイオリンを習い、ギターを弾き、プエルトリコでクラシック音楽を修め(同時にラテン音楽に親しみ)、学士号を習得するも、音楽を生業とすることは父親が許されなかったそうです。
が、パリに遊学し、レストランでギターを弾き歌うようになったそう。そんな中、同じくグァドループ出身のアンリ・サルヴァドールやロベール・マヴーンズィと出会い、そして、ジョセフィン・ベイカーの紹介で、モンパルナスのバー・レストランの音楽ショウを受け持つことになり、パリで本格的に音楽家として生きるようになりました。
ギターを弾き歌い、自らの楽団を率い50年代後半からレコーディングもはじめ、パリにおけるアンティル諸島音楽を代表する存在の一人になって行きます。
本作はそんなキャリアの中で作曲し、歌い、良く知られた自らの曲を多くはメドレー形式で、アンリ・デブスのプロデュースの元、1982年録音のLP収録曲(tracks 1, 2, 3, 5, 6, 7)に加え、CD化にあたり、1972年のシングル録音(tracks 4, 8)& 2001年の新録を1曲(track9)追加収録した再演録音ベスト的な編集CDとなります。
ごくごく自然な発声ながら、まろやかなコクのあるその歌声が、ビギン、マズルカ、そして時にラテン調〜ボレロのシンプルなバッキングに映えて、なんとも優雅、かつシックでトロピカルな世界観を展開してくれます。加えて、育ちの良さ、みたいなものまで感じさせもして、ま、“グァドループの若大将” ぶり、既に、中年以降の録音ながらキープしているわけですね!?
1 Bateau La ~Maman Maman ~Cordonnier Et Coiffeur ~Ce La Foire A Basse-Terre ~ Maman Maman ~Bateau La ~Bon Dieu Bon 7:46
2 Ou Belle ~Dou Dou Dou ~Doudou Helena ~La Serenade ~Vole Boing La ~Maye Maya A Ou 4:04
3 En Ce On Malhere ~Philosophie 7:09
4 La Vie La Cruelle ~Bo La Moin Ba Ou La 3:01
5 T’Es Chez Nous ~Bar Bar Bar ~14 Juillet ~Adrienne Pot Chamb A Ou Tomber ~Ce Les Antilles 8:03
6 Talvez 3:35
7 Maye Maye A Ou ~ En Ce On mahhere 4:02
8 Les Prenoms Des Filles 2:34
9 Paysage Endormi 4:26