00年代に入って歌いはじめた思われる、やはりホラズム出身だという女性歌手フェルーザ・ジュマニヨーゾヴァの08年作。2拍子もしくは3拍子の感覚を備えた緩急ハチロク系の打ち込み曲、あるいは、ゆったりとした伝統楽器アンサンブル、もしくは弦と打楽器のみの伴奏で朗々と歌う古典マコーム調の曲、加えて、カザフやモンゴル風の弦楽器ストロークが特徴的な民謡調の曲、また、昨今のアラブ歌謡の影響を感じさせるダンス曲等も聞ける多彩な展開のCDになっていますが、そうした様々な伴奏の質も高く、プロダクションの良さも聞きもの。そして、そんな中、決して歌い込まずに、サラッとした余韻を残す柔らかなコブシづかいを聞かせるフェルーザの歌い口、やはりアラブ~西アジアとも南アジアとも微妙に似て非なる感覚を備え、その黒髪、黒い瞳の容姿からも連想できるように、やや東アジアに近いのかも知れません。