EMELIEN ANTILE / MR SAX

★tracks 1-10 recorded in 1969 / tracks 11-20 recorded in 1974

ミスター・サックスことエミリエン・アンティル(1925-1980)は、グァドループはポワンタピートルの義務教育を終えると路線バスの運転手になったのでした。島のバンブーフルートを演奏するのが趣味でしたが、長年の仕事でお金を貯めて、念願のサキスフォーンを買ったのでした。
ポワンタピートルと首都バセテールを一日一往復、マーケット・プレイスやそれぞれの町で停車する度にサックスを練習するうちに(乗客は止まる度に買い物なり人を訪ねたり、それぞれの用事を済ませてまた停留所のバスに戻るのでした。そして、最後の乗客が帰るまで、バスの乗客達は、エメリエンの演奏を聞かされるのでした)、とうとう、人々はエメリエンをミスター・サックスと呼ぶように…。
それまで、ムシュー・サックスといえば、やはり、同じくグァドループ出身のロベール・マヴンジーが有名でした。そこで、パリで活躍するマヴンジーを訪ね、サックスをしまいな、オレが代わりに吹いてやるぜ、とか、無礼なことを言ったりしましたが、そこで、マヴンジーを納得させるだけの演奏を聞かせたのでした。その後、最高のサックス奏者、マスター・サックス、アル・リルヴァのもとで演奏するなどして腕を磨き、グァドループに戻り、幼馴染みだったアンリ・デブスのもとでソロ・アルバムを吹き込んだのでした。
もちろん、クァドリーユ、ヴァルス、ビギン、マズルカと、島のリズムをあくまでも軽快に(というか、エミリエンの最初の聞き手であり、お師匠筋?は乗り合いバスの乗客達ですから、その辺のおばちゃん、オヤジたち…、薄暗がりの紫煙漂うクラブのインテリとかじゃないですからね)、青空に向かって吹き上げるような多幸感にあふれるサックス・プレイは、やっぱりカリブならでは、そしてエミリエン・アンティルならではでしょう!?そして裏腹に、静かに香るグァドループの哀感…、わかりますか?
ソロLPは3枚ありますが、本盤は、ファースト(1969) &セカンド (1974) のカップリングCDとなっています。

▽LP-Mr Sax1969
1 Quadrille de L’été
2 Biguine A Champy
3 Moin Ainver France-lise
4 Valse Folklorique
5 A Su Plage la
6 la Peau Fromage
7 Pantalon
8 Belle Con L’arc En Ciel
9 Agoulou
10 Mazurka Dans la Nuit

▽LP-Biguines Et Mazurka Des Antilles1974
11 Ginette
12 la Haut Dans la Montagne
13 Fin di Monde
14 la Guadeloupeene
15 Hermancia
16 Baissez Bas
17 En Gros Tete Ou la
18 Polo Ka Pati Laisser Moin
19 Don Juan
20 Vaudou

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