こちらも再入荷しています!ここ数年、当店で一番売れているCDです!
当店ゆかりのtwitter上で繰り返し皆さんに絶賛され、&>こちらでも紹介され(リンク感謝!)予約殺到しましたが、これがまた少量づつしか入荷しないもので、入荷即売り切れを繰り返すばかり〜が、堂々2016年MM誌ベスト10ワールド部門にもランクインした名盤です!
…というわけでエディ・トゥッサ、1977年アンゴラ首都ルアンダ生まれということですから、今年(2016年)39歳になるナイスガイです。音楽キャリアのスタートは1993年、Warrent B なる3人組ヒップホップユニットに参加したこと(海外で暮らしていた従兄が帰郷した際、その影響でラップを聴き始め自分でもやるようになったそう)。ワレントBでは3枚のアルバムを残したそうですが、そんな風にラッパーとして活動しながらも、彼自身の中、その音楽的記憶のナイーヴで深いところには常に、子供時代(5人姉弟の末っ子で長男だったそう)、多くのレコードを持っていた両親がいつも聴いていた “センバ” が、ずっと響いていたそうです。とりわけ、亡くなってしまった父親がキンブンド語(アンゴラ北西部に暮らすキンブンド人の言語)混じりにしばしば歌っていたマロ・リバ の “Jinvunda”(もしくは”Givunda” あるいは “Njinvunda”) という曲が忘れられず、ある時、どうしてもそのレコードを聞いてみたくなり、ルアンダ中を探しまわりましたがなかなか見つからず、その後も探し続けているうちに人づての紹介から、アンゴラ国営ラジオ放送局でやっとそのシングル盤レコードと出会うことができたのだそう。
このことがターニングポイントとなり、センバを歌うことを決めたエディ・トゥッサでした(別にヒップホップが嫌いになったのじゃなくて、それはそれ、ただ自分が歌うとしたらセンバだと悟ったそうです)。そして自然、センバを歌うようになると、ユリ・ダ・クーニャという友人を得たり、コタス(コタの複数形〜アンゴラの言葉で kota はポル語で velho= older person)に教えを受ける機会も増え、2010年にファースト・ソロCD “IZENU MU TALE” をリリース (センバ歌手への転向のきっかけとなったマロ・リバスの “Jinvunda” や、とりわけ敬愛しているというアンドレ・ミンガスの曲もカヴァー〜このファーストCD、当店ではまだ未入荷ですが、頑張って入れましょうね。アンゴラのカルトーラとでも言うべきアンドレ・ミンガスも入荷努力ですね)、そして2012年にはセカンド >”GRANDES MUNDOS” をリリース(その内容に関しては>こちらを〜と、またまた…)で、2015年に本作 “KASSEMBELE” をリリースしてくれたわけです。
「大切なのはアコースティックであること、そしてオリジナルであり、質の良さを保つこと。アルトゥーロ・ヌネスやボンガ、カルロス・ブリティといったコタスだって、過去のものとは違うセンバを生み出している。センバを従来とは違う楽器やアレンジで演奏することに抵抗のある人たちもいるだろうけど、あらゆるものは変化していくし、いつまでも同じものなんてないよ」というようなことをエディ・トゥッサはインタビューで語っています。で、もうハッキリと個人的見解を正直に言うなら(こういうことを言うと、怒られそ~ですが)、この夏を先達ボンガのセンバで過ごすよりも、ヌーヴォーセンバなトゥッサで過ごす方が10倍はビールが旨い!ということは断言できます(ま、冬になったらボンガでお湯割り焼酎というシチェーションもそれはそれで沁みるものがありますけど…)!?
ま、そういうことはともかく、いったいこの演奏はなんでしょう? 新しくも古くもなく、そして瑞々しい! 様々なラテン〜カリブ音楽やサンバやコンゴレーズや南部アフリカ等の楽器使いとアレンジとコーラスのあり方をドバッとぶちまけて、曲ごとに自由なパーツ使いを組み合わせて作りあげたような、何ともトロピカルでダンサブル、それでいてアフロな、ポルトガル系クレオール音楽のセンバらしい哀愁が嫌味なくサラリと漂う歌と演奏! 聴けば聴くほどに親しみが湧いて来ます。複数ギターも金管群もアコーディオンも鍵盤もパーカッション群もベースもドラムスも軽快痛快! 枯れているようにも湿っているようにも聞こえる、ちょっと投げやりでいて決めるところは決めるエディ・トゥッサの独特にファンキーな歌い口も実に味わい深く、リズムの隙間のマイナーメロで少しだけホロリとさせるこの純大衆音楽仕様ぶり! 〜何度聴いても飽きませんね、全15曲1時間5分!
で、なぜか、そのエディ・トゥッサがルアンダ中探しまわっても見つからなかったという MARO RIBA “Jinvunda” がB面に収録されているシングル盤〜当方に在庫ありという事実 !! 〜グローバル化は恐ろしい、というお話 ??