タイトルはどんな意味なのか?英語に変換してみると “it takes a village” ということで、“村を取る” ?? 全然わかりませんけど、DIMARTINO ことアントニオ・ディマルティーノ(1982-)の>HPに行くと位置情報を確認され、イタリアの300の街や村を選べるようになっていて、自分がアイデンティファイできる土地を選ぶと、4月21日のCDリリース前にアルバムがストリーミングで聴ける、という仕組みだった模様…。う〜ん、その意図はいかなるものか(そしてこのアルバムを聴いて、年上の隣人とワインを飲むために休暇を、みたいなことが書いてありました)?
が、本作の表題は自殺した小説家パヴェーゼの『月と篝火』(遺作)のラストから取られたそうなので、何となく推して計るべし(逃げるようにして渡米し、その後成功し、辛い思い出の残るイタリアの故郷の村へ帰った男が見聞きし、体験したことごとの話)。村興しとか地方の過疎とか、そーゆーことじゃなくて、自分の場所を見よ、ということなんでしょうかねえ?チンプンカンプンですが。
というようなことは、さておいても、ま、何らかの企画アルバムなんでしょうけど、このディマルティーノの>2012年作に続く3作目(こちらもご多分に漏れずフィレンツェのピチカ・レーベル制作!)、力作であることは伝わって来るし、>元ロックバンドのギター弾きでリード・ヴォーカルの男とは思えないカンタトゥーレぶり、イタリア以外の何ものでもない上昇メロディーと歌い上げを聞かせつつ、適度な甘さも備えていて実にPOP!しかも、そこはかとないポスト・ロック的な余韻が耳の隅の方に残ったりもして、今の音としてのリアルな感触も聞かせつつ、70年代っぽい古臭いアレンジも平気で並んだり。
で、アルバムのコンセプトに沿っているのかどうかはイタリア語わかんないんでよくわかりませんが(完全にリスナーをイタリア人に限定している姿勢も潔く)、どこか、理由不明のノスタルジー、というか、故郷への想い(アンビバレンス含有)が響き渡っているアルバムとと聞こうと思えば聞こえて来ます。
ま、歌詞わかんないから何歌っているのかわかんない、なんて、この歌声と音を前にしたらナンセンスということにも、地中海好き、イタリア歌謡好きの琴線に触れることおびただしいアルバムだと思いますが、いかがでしょう(って、当店はイタリアに関してはツマミ食いしかしませんが、どーせするならコレをツマもう!というセレクションのつもり?)。ゲストにはイタリアのトム・ヴァーレイン?バウステレのフランチェスコ・ビアンコーニ、そしてイタリアのシネイド・オコナー?クリスティーナ・ドナ、ということで。〜クリップも秀逸!▽