マルチニックの手押し式移動回転木馬内で演じられたフェアグラウンド・アトラクション(移動遊園地のアトラクション)の芸能音楽、「シュヴァル・ブワ」をポピュラー化した有名人、デデ・サンプリの新作ですが、なんとキューバに乗り込んで、当地のソンを演奏するアーティストたちと、キューバ〜マルチニック両島の音楽的ルーツを探りながら、新作を創り上げてくれました。キューバ側からは、古都サンティアーゴ・デ・クーバとハバナの下町のアーティストたちを起用。特に、ソン特有の弦楽器トレスの奏者で、伝統的ソンの革新を推し進めたバンド、グループ・ライソンのリーダーで伝統派、エフライン・リオスの参加が、このアルバムの重要な成立要因ですね。古いカリプソやジャマイカン・メントにも通じるレイドバックしたカリブ音楽のゆる~い気持ちよさと、時折見せるブレイク・リズムも聞きどころ。