DJ / 選曲 / レコードバイヤーとして、さらにはスマーフ男組、その前身となった Asteroid Desert Songs、竹久圏 (KIRIHITO)とのデュオ作品、話題のDJポッセ、悪魔の沼など、さまざまな活動を続ける COMPUMAがソロ名義初のアルバム作品をリリース。北九州の演劇グループ〈ブルーエゴナク〉からの依頼によって制作された2021年秋公演の演劇『眺め』のために作られた素材を元に、共同制作者の hacchi (Urban Volcano Sounds / David Soul )とともに作り上げた9曲+1曲、さらに内田直之によるダブ・ ミックス1曲を収録した11曲。マスタリングには中村宗一郎、そして、五木田智央/ 鈴木聖とCOMPUMA作品のアートワークにはおなじみのふたりによるジャケットCD(デジパック+12Pブックレット)としてリリース。
1. Vision(Flowmotion In Dub)
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track11 dub mix by 内田直之
マスタリング:中村宗一郎
アートワーク:五木田智央/鈴木聖
■アルバム概要
ついにCOMPUMAが待望のソロ名義初のアルバム作品『A View』を6月17日(金)に自身のレーベル 〈SOMETHING ABOUT〉から、CDリリースする。 2021年秋、北九州の演劇グループ〈ブルーエゴナク〉からの依頼によって制作された演劇「眺め」(注1)の為の楽曲を素材に、共同制作者のhacchi (Urban Volcano Sounds / David Soul )とともに新たにアルバムとして作り直されたオリジナル楽曲9曲+ダブ・ミックス2曲、計11曲のオリジナル・フル・アルバム。
その縦横無尽なDJ / 選曲活動に加えて、2007年のアルバムがまさかの2021年にLP化となったスマーフ男組、そしてその前身となったAsteroid Desert Songs、また竹久圏(KIRIHITO)とのデュオ作品などなど、これまでユニット、そしてコラボ作品、リミックスなどのリリースも行ってきたCOMPUMAだが、そのソロ名義としては本作が初のアルバムとなる。
最近ではDr.Nishimura、AwanoとのDJポッセ、悪魔の沼も含めて、 海外のラジオショーでもそのプレイが話題になるなど、注目を集めるなか、ソロ名義としては初のアルバム 作品のリリースとなった。 電子音やフィールド・レコーディング+α、その間に宿る空間も含めて、そのサウンドは様々な景色を想起させる、そんなイマジネーションを静かに刺激するまさに“眺め”の音楽。世界的に見ても、昨今のアンビエント~IDMシーンで顕在化しつつある、ニュー・エイジ・アンビエント~環境音楽リヴァイヴァルの、その次なる流れにあって、唯一無二の存在感を放つ作品だ。
またアルバムに収録される2曲のダブ・ミックスだが、ひとつはシンガポールのレーベル〈Midnight Shift〉 から5月末にリリースされる、DJ行松陽介キュレーションによるコンピ『Midnight is Comin’』(注2)に収録された楽曲「Flowmotion(IN DUB)」の自らによる新たな別ヴァージョン「Vision(Flowmotion in Dub)」を、そして、本作収録の演劇「眺め」の為の楽曲「View 2」を、LITTLE TEMPOやOki Dub Ainu Band、さらにはGEZAN 『狂(KLUE)』のミックスも話題になった内田直之がダブミックスを手掛けてい る。
マスタリング・エンジニアには、坂本慎太郎やOGRE YOU ASSHOLEなど、数々の作品を手がけているピースミュージック中村宗一郎を起用。アートワークは世界的な画家で、国内ではMETA FIVE、TOWA TEIなど のジャケット・アートでも知られる五木田智央、そしてデザインは鈴木聖と、これまでのCOMPUMA作品を手がけてきたふたりによるプロダクトとなっている
河村祐介
注1:ブルーエゴナク演劇「眺め」
http://buru-egonaku.com/2021/07/15/nagame/
注2:コンピレーション Midnight Shift「VA/Midnight is Comin’」 https://mnshift.bandcamp.com/album/midnight-is-comin
未来と過去、その情景について― 「もはや自分が幸せにこの人生を終えられるかだけが、この人生の問題ではないのだな と考え始めました。もはや目の前の絶望は半ば諦めて、自分の死後やもっとその先の未来の、どこかの希望を描くしか現実味(リアリティ)を保つことはできない。それは言わずもがな、コロナだけが理由ではありません。」
本作は、私が主宰する劇団〈ブルーエゴナク〉の演劇作品『眺め』の公演音楽として制作された楽曲群を、制作者である COMPUMA氏が新たに手を加えて再編集したものです。 上記の文章は、公演の当日に配られるパンフレットに掲載した私の挨拶の一文です。 私は『眺め』の制作を通して「1000年先の希望」について考えていました。コロナや経済的な分断、社会問題の数々、著しく想像力に欠けた今日の社会がこれ以上悪くならないように、いつかの未来のために私は、おそらく私の死後に(しか)訪れ〈る/よう のない〉希望を描きたいと考えました。人はなぜ、芸術を作り、鑑賞し、関わるのか。 また、執拗に憎しみ、また、多大な感銘を受けるのか。それはこの世界において、フィ クションにしか託せない切実があるからではないでしょうか。その切実が鑑賞者に届いた時、今まで見えていなかったもう一つの現実の存在に気付かされるでしょう。自分が見ている世界を食い破るような体験が芸術には可能なのだと、私は多くの芸術を鑑賞し、 そして自身で演劇作品を制作することで実感しています。 『眺め』において COMPUMA氏の楽曲群は、私の想像する世界に未来の粒子を含んだ風を吹かせ、現前化される物語に抽象的な時間の流れを付与してくださいました。演劇ではその形式上、未来から過去まであらゆる時間が鑑賞者の目の前に提示されます。その仕掛けに大きく作用していたと感じるのは、本作で最も象徴的な音。水面に水滴が垂れて、 それが波紋のように広がっていく音です。うっすらと遠ざかっていくのに、どこまで行っても消え去りはしない小さな波紋。それはまるで 1000 年先の未来から聞こえてくるような音像です。 微かでも、希望が鳴り続ける世界でありますように。
『A View』までの道程に関われた光栄と、COMPUMA 氏への感謝を込めて。
2022.5.7 穴迫信一
■コメント
いつも独特な世界を観せてくれるCOMPUMA。曲の展開していく時間の流れや寄せてこない感じがたまらなくイイ。今作も素晴らしい!
森 俊二
(222) 演劇の劇伴から派生したという本作、ミュージック・コンクレートのようでもあり、アヴァンな現代音楽家の作品のようでもあり、環境音楽的であり、またCOMPUMA持ち味のスペイシーさや間もあり、痛快。とにかく耳をそば立てたくなる。今までMix CDで聴いていたCOMPUMAの美意識が詰まっています。松永くん、出会ってから実は30年くらい経ってますね。ソロでの初の作品リリース、本当におめでとうございます祝今後のご活動も楽しみにしております。 Kaoru Inoue
COMPUMAの作品やDJがこれからもわたしの音楽のよろこびかたをふくらませ、人生にたくさんのきらめきを与えてくれることを確信し、胸がいっぱいになりました。
LIL MOFO
■プロフィール
COMPUMA 松永耕一
1968年熊本生まれ。ADS (アステロイド・デザート・ソングス)、スマーフ男組で の活動を経て、DJとしては国内外の数多くのアーチストDJ達との共演やサポートを経ながら、日本全国の 個性溢れる様々な場所で日々フレッシュでユニークなジャンルを横断したイマジナリーな音楽世界を探求し ている。自身のプロジェクトSOMETHING ABOUTよりMIXCDの新たな提案を試みたサウンドスケープ・ミックス「SOMETHING IN THE AIR」シリーズ、悪魔の沼での活動などDJミックスを中心にオリジナル楽 曲、リミックスなど意欲作も多数。Berlin Atonal 2017、Meakusma Festival 2018への出演、ヨーロッ パ・ラジオ局へのミックス提供など国内外でも精力的に活動の幅を広げている。近年のリミックス /リリー ス・ワークは、OGRE YOU ASSHOLE「朝(悪魔の沼 remix)」、YPY「Cool Do!(COMPUMA remix)」、 MAJOR FORCE PRODUCTIONS「Family(COMPUMA Mx)、COMPUMA & 竹久圏 「Reflection」等。 一方で、長年にわたるレコードCDバイヤーとして培った経験から、コンピレーションCD 「Soup Stock Tokyoの音楽」など、BGM選曲を中心に、アート・ファッション、音と音楽にまつわる様々な空間で幅広く活動している。
〜以上、メーカーインフォより